時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

年明けの金融市場、不安映す

2023年の金融市場は世界景気の悪化懸念から株安と商品安で幕を開けました。


まず、新年最初の取引となった4日の東京株式市場ではトヨタ村田製作所日本電産など外需依存度の大きい銘柄が売られ、日経平均株価が9カ月半ぶりの安値水準に沈みました。東証プライム市場全体の86%の銘柄が値下がりするほど全面安の展開でした。


火付け役となった年明け3日の米株式市場ですが、アップルとテスラが景気不安を象徴。部品メーカーに供給減を指示したと伝わったアップルの株価は22年末比4%安と大きく下げ、終値時価総額が2兆ドルを割りました。テスラ株は22年10~12月期の販売台数が市場予想に届かなかったことで12%安と急落。21年秋の上場来高値比では7割安と、グラフにしたらすごいことになってそうです。


グラフと言えば、記事にある「米企業業績の伸び悩みが鮮明に」というグラフを見ると、直近では1株当たりの純利益の推計値が前年同月比マイナスに転じており、右肩下がりが強烈です。


アメリカがくしゃみをしたら、日本は風邪をひく。まさにそんな感じの年明けスタートとなりました。

 

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2023年の10大リスク、「ならず者国家ロシア」が首位

明けましておめでとうございます。今年も時事マラソンをどうぞよろしくお願いします!


2023年最初の時事マラソンは、国際政治学者のイアン・ブレマー氏率いる、米政治リスクの調査会社ユーラシア・グループが3日に発表した、2023年の世界の「10大リスク」からスタートします。同社は年頭に政治や経済に大きな影響を与えそうな事象を予測していて、昨年2022年の1位は「中国のゼロコロナリスクの失敗」を挙げていました。まさに今、中国はそれと戦っている最中ですが、今年の1位は「ならず者国家ロシア」を挙げました。


欧米の武器供与を背景にウクライナの防衛能力が高まる中、孤立したプーチン大統領が米国と欧州を不安定化させるため、核の脅威を利用した外交政策に出ると予測しています。ウクライナ戦戦争が2年目に入ろうとしている中、膠着打開にロシアは動くのでしょうか。


2番目のリスクとしては「最大化する習権力」。ゼロコロナに関わらず、習近平国家主席への権力集中が様々な問題を引き起こすのではないかと。1位・2位を中露が占めましたが、3位以下で個人的に気になるところとしては、3位の「テクノロジーによる社会混乱」を挙げたいです。AIの進化とSNSの普及が重なり、フェイクニュース陰謀論が拡散されやすくなっており、具体的にスペインやパキスタンの総選挙に影響を及ぼしそうと指摘。私たち民主主義国家にとっては特に脅威となりそうです。


最後に、10位の「水不足」も取り上げておきたいです。日本は相対的に水には恵まれているといわれていますが、世界に目を向けると水の利用量の増加と水源の枯渇で水不足が顕著になりつつあります。水を巡って紛争もあちこちで起こっており、6位のエネルギー危機も深刻ですが、水不足は即、命にかかわる問題であり、これはウォッチしておきたい事象です。

 

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ブライトン2-4アーセナル(三笘・冨安出場)2022_12_31 #002

晦日であろうが関係ない、イングランドプレミアリーグ第18節。

 

ブライトンのホームにリーグ首位のアーセナルを迎えての一戦は、アーセナルの貫録勝ちでした。

 

試合開始2分にアーセナルが先制。開始直後からの猛攻は見事でした。ちょっと試合が落ち着いて、ブライトンにもチャンスができてきたと思ったら、39分に追加点。後半開始後にもまたすぐ3点目。これで試合としては勝負あった感がありました。

 

しかし、私たち日本人としては60分に冨安が左サイドバックで投入されるとワクワクしてきました。なぜなら、ブライトンの右サイドの三笘とのマッチアップが実現するから。

 

さっそく見せ場はやってきました。64分に、CBからのパスを受けた冨安のトラップがほんの少し大きくなったのを三笘は見逃さずパスカット。そこからパスをつないでチャンスをつくり、最後は三笘が右足で流し込み見事にゴール!

 

ブライトンは前の選手がみんな交替したのに、三笘は最後まで出場。チームの信頼感が窺えます。切れ味鋭いドリブルはもちろん、パスも正確。ミスらしいミスがほとんどありません。途中、ロングパスをぴたっと足元に止めたり、ポストプレーも器用にこなすなど、可能性がどんどん広がっています。

 

89分のオフサイドにはなった「幻のゴール」も、首位のアーセナルをビビらすには十分でした。もう「ブライトンのエースストライカー」と言っていいんじゃないでしょうか。

 

対する冨安も、W杯での激闘後のリカバリーを心配していましたが、元気にプレーしていました。間違いのないプレーをしていたので、これからも出場のチャンスはあると思いますが、選手層が厚いチームなので、首位を争うチームとの試合に出れるかどうか、そして守備の選手なので先発出場できるかどうか、そこらあたりがこれからの見どころだと思います。

 

しかし、世界最高峰のプレミアリーグで、日本人選手がふたりも同時に見れるなんて、日本のサッカーファンとしてはこんな楽しいことはありませんね。

「サッカーの王様」ペレ氏死去

「サッカーの王様」として知られるブラジル代表の元エース、ペレ氏が29日に亡くなりました。82歳でした。

 

先日のサッカーW杯カタール大会では、ブラジル代表の試合の時に選手やサポーターたちがペレ氏の回復を願う横断幕を掲げていたのを目にしました。ペレ氏はW杯の決勝の結果を受けて「アルゼンチン、おめでとう。きっと今、ディエゴ(・マラドーナ氏)は笑っている」と書き込むなど、病床からもたびたびインスタグラムにメッセージを寄せていたそうです。


残念ながら、ブラジル代表優勝のニュースをペレ氏に届けることはできませんでした。日本に勝ったクロアチアとの準々決勝。延長戦で現エースのネイマールのゴールで勝ち越したのに、同点に追いつかれ、PK戦で負けるなんて、どう考えてもブラジルが勝ちそうな流れだったのに、サッカーは本当に筋書きのないドラマです。


ペレ氏はW杯に4度出場し、世界中でただ1人、選手として3度の優勝に加わりました。20年以上の現役生活で、1283得点を決め、ボクシングのムハマド・アリらと並び、20世紀最高のスポーツ選手の1人と数えられるのに、議論の余地はないと思います。


ペレ氏の現役時代のプレーをライブで見たことはありませんが、個人的に印象深いのは『勝利への脱出』という1981年公開のアメリカ映画です。第二次世界大戦の最中、ドイツの捕虜となっていた連合軍兵士とドイツ代表との間で行われることになったサッカーの国際試合と、その背後で進められる脱走計画をテーマにしており、主人公は若き日のシルベスタ・スタローン。彼が捕虜チームのGKを務め、なんとペレが同じチームの10番を背負って出演(出場)しています。ペレのプレーぶりは映画とはいえ強烈で、最後の最後に飛び切りのスーパープレーを見せてくれます。


マラドーナも亡くなり、ペレも亡くなり、サッカーの一時代を築いた選手が次々にこの世を去ると、何か火が消えたような気になります。年末最後の時事マラソンに取り上げるのはどうかなとも思いましたが、他ならぬ「キング」の死を取り上げないわけにはいきませんでした。

 

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サウサンプトン1-3ブライトン(三笘薫フル出場)2022_12_27 #001




これから、2026年のサッカーW杯に向けて、海外や国内で活躍する日本人選手をウォッチしていくために、映像や現地で見た試合を自分なりに考察して、お伝えしていきたいと思います。

 

名付けて、「Lord to 2026」。最初の試合は、プレミアリーグサウサンプトンvsブライトンです(Abemaで視聴)。

 

W杯空け最初の試合。サウサンプトンのホームにブライトンを迎えてのゲームですが、スタンドを見ると、あのW杯の雑多な印象から打って変わって、チームのグッズを身にまとった英国御婦人方がいたりと、だいぶ雰囲気が違いました。

 

お目当てはもちろん、ブライトン所属の三笘薫選手。W杯でも大活躍でした。

 

その三笘選手は、4-2-3-1の3の左サイドハーフで先発出場。サイドハーフとは書いたものの、左のウィングのように高い位置をとる時間帯も多かったです。

 

試合の方は、3-1とアウェーのブライトンが快勝。ゴールこそなかったものの、三笘は最後までフル出場しました。

 

世界最高峰と言われるイングランドプレミアリーグで、普通にプレーができる。解説の鄭大世さんも言っていましたが、全く違和感なく、チームに馴染んでいる。ポジショニングに迷いがないから、パスもどんどんまわってくるので、ボールを触る回数も多い。完全にチームのピースのひとつになっているなと感心しました。

 

W杯で見せたドリブルの切れは相変わらず。違和感なく馴染んでいると書きましたが、ドリブルしながら相手陣地に入っていき、キュッと切り返した時に、相手のDFが思わずこけそうになるシーンを何度も見ました。もうこのシーンだけは、違和感ありまくり。ひとりで「違い」を見せつけていました。

 

細身の体ですが、インテンシティもスタミナも全く問題なし。W杯では途中出場が多かったですが、こんなパフォーマンスを見せつけられたら、先発で90分プレーさせたいとどの監督も思うでしょう。

 

次節以降の期待とすれば、やはりゴール。前のポジションの選手なので、ゴールを獲らないと評価されません。60分のヘッドなんかは、絶対決めておきたいところでした。

 

あとは、連敗続きのサウサンプトンではなく、上位チームとの試合でどれだけのパフォーマンスができるのか。次のゲームが楽しみです。

 

 

 

 

中国本土の富裕層、マカオでmRNAワクチンに殺到

中国の国産ワクチンではなく欧米製の「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンを打とうとする中国本土の人々がマカオへ殺到し、観光客向けにワクチン接種を提供している唯一の病院の予約枠を埋め尽くしています。


中国にドイツのビオンテック社製のmRNAワクチンが発送されたというニュースを見て、いよいよ欧米製のワクチンが入るのかと思ったら、在留ドイツ人向けとして特別に許可されたようで、「数億回分の供与も可能」というシュタインマイヤー大統領からの申し出を習主席は断ったそうです。途上国にも中国製ワクチンを提供する「ワクチン外交」を展開してきた経緯もあり、引き続きメンツ優先しています。


それでもmRNAワクチンを打ちたい人はマカオへ行くしかないとのことで、中国国内の富裕層はマカオへ殺到しているようです。


今月発表された英医学誌ランセットシンガポールでの研究では、免疫反応を引き出すために不活化ウイルスを使う旧来技術をベースとしたシノバック製やシノファーム製ワクチンを3回接種した人が新型コロナに感染した場合、mRNAワクチンを3回接種した人のほぼ2倍の割合で重症化することが分かっています。中国製ワクチンを接種した人は、入院に至る確率も50%高いそうで、わざわざマカオまで行って接種したい気持ちは分かりますが、それもその情報を知りえるのは富裕層だけ、ということです。

 

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「ステマ天国」脱却へ一歩 来夏以降に規制、海外に遅れ

インターネット上などで広告と明らかにしないまま個人の感想を装って商品などを宣伝する「ステルスマーケティングステマ)」が2023年夏以降に法律で規制される見通しになりました。


「世界の国々と比較して我が国ではステマに対する規制がなく、導入の是非を速やかに議論してもらう必要があった」と、担当の河野消費者相は27日、ステマ規制を求める報告書をとりまとめた消費者庁有識者検討会の冒頭でこう述べました。


消費者庁はこれから運用基準を策定していくようですが、現段階で違反と想定するのは「広告主が投稿内容を指示・依頼したり、金銭などを提供してインフルエンサーなどに書き込ませたりした場合」です。


ポイントは2つ。ひとつは「広告主が投稿内容を指示・依頼すること」。特定の商品を宣伝する場合でも、投稿者の自主的な意思に基づいた書き込みならOKだそうです。投稿に「広告」や「PR」など、事業者の表示と明らかならステマとはみなされないようです。ふたつめは「経済的な利益があるかどうか」。ここが一番のポイントのようです。事業者から対価として、金銭や物品が提供されるケースが多いらしいですが、今後はNGとなりそうです。


たとえば、ワークマンなどはインフルエンサーを使って積極的に宣伝していますが、経済的な利益は求めていないと思いますが、投稿内容は完全に投稿者の自由なのかは分かりません。「この商品について使い勝手などを書いてほしい」などと、指示・依頼していないのでしょうか? それくらいの指示・依頼は個人的にはいいような気がしますが、それもダメで、「広告」とか「PR」と書いてあると、一気に消費者は読まなくなってしまうので、なかなか難しい問題になってきます。


ステマの規制は絶対必要ですが、運用はこれからすったもんだありそうです。

 

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札幌招致、負の遺産捨てて

2030年冬季五輪の札幌への招致活動に強い逆風が吹いています。東京五輪をめぐる汚職や談合が明らかになり、札幌市民や国民が応援できる状況にありません。そんな中、安田秀一さんは「札幌五輪に賛成します」と言います。私も、札幌五輪を楽しみにしているひとりですが、賛成するには条件があると安田さんは言います。


まずやるべきは「人事の刷新」だと。公表されている札幌五輪の開催概要計画案は素晴らしいものです。組織の透明性の確保をはじめ、古い施設を改修して使用するなど、基礎的な必要条件もきっちり盛り込まれています。だが、その内容が認知されるどころか、「もう五輪はこりごり」と反対ばかりの逆風が吹き荒れています。その理由は明らかで、招致の中心にいる顔ぶれが、橋本聖子氏や山下泰裕氏など東京五輪と全く同じだからです。苦労しながらやるにはやった東京五輪ですが、終わってみたら汚職や談合事件だらけ。なのに、メンツはそのままとはどういう神経をしているのでしょうか。


安田さんが組織委員会会長になったら、東京大会に関わった人たちは招致活動からすべてご退席願い、組織委員会の理事候補は原則40代以下として世代交代を進めると。そういう安田さん自身も2030年には60歳を過ぎているので、若くして世界のスポーツシーンの最先端を見続け、スポーツの本質を理解し、ビジネスマインドを持ち、若い経済人とも強いコネクションを持っているスキーの皆川賢太郎氏やフェンシングの太田雄貴氏、水泳の松田丈志氏らを挙げています。


もう大賛成です。これは、五輪組織委員会に限らず、どの組織もそうしたらいいところはたくさんあると思います。でも、それができないとするならば、何か理由があるのでしょう。

 

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中国コロナ感染急増 浙江省で1日100万人感染

中国浙江省政府は25日、新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者が100万人を超えたと発表しました。

 

浙江省の人口は約6500万人。上海市に隣接し、中国ネット通販最大手のアリババ集団が本社を置く杭州市が省都です。米アップルの取引先工場のほか、日本電産など外資系も多い製造業の集積地です。浙江省政府は1日あたりの感染者数が2023年1月1日前後にピークを迎え、200万人に及ぶとの予測も公表しています。1月1日の後に旧正月があり、さらに人の移動が増すのに、1月1日がピークとはちょっと首をかしげてしまいます。
浙江省政府発表の100万人の信ぴょう性がよく分かりません。危機感を浸透させるために多めに発表するというよりは、本当はもっと多いけど少なめにしているのか、ちょっと分かりません。


日本のこれまでの1日当たりの感染者数の最多は、今年のお盆あたりの約26万人。日本の人口は浙江省のちょうど倍くらいなので、100万人は日本の過去最高の倍ということが分かります。その100万人がさらに倍の200万人になるとの予測ですから、かなり厳しい年明けになりそうです。

 

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ゼレンスキー大統領の米議会での演説要旨

ウクライナのゼレンスキー大統領が21日、米議会で演説をしました。日本経済新聞から演説要旨を引用します。


あらゆる見込みや悲観的なシナリオに反し、ウクライナは陥落しなかった。ウクライナは生きている。戦いは続いており、我々は戦場でこの問題を打ち負かさなければならない。この戦いはウクライナ人の生命、自由、安全のためだけでなく、我々の子供や孫がどんな世界に住むかを規定する。ウクライナを助けるための米国の努力に感謝する。何も恐れることはない。これは全世界に勇気を与えることだ。米国は自由と国際法を守るため、国際社会を団結させることに成功した。ロシアの暴君は、我々に対する支配力を失っている。


もう一つ重要なことは、ロシア人は心の中でクレムリン(大統領府)を打ち負かしたときにのみ、自由になる機会を得ることができるということだ。戦いは続いている。これは欧州や同盟国の一部の領土のためだけでなく、ウクライナや米国の民主主義のための戦いでもある。世界のどの国も、守られていると期待して戦争を無視してはならない。世界の結びつきはあまりにも強い。


私はワシントンに来る前の日、ウクライナ東部バフムトの前線にいた。ロシアの軍隊は5月からバフムトに攻撃を仕掛けてきたが、持ちこたえてきた。昨年はバフムトに7万人が住んでいたが、いまは数人の市民しかいない。ロシアはあらゆる手段を使って我々の美しい町を攻撃しようとしてくる。ロシア軍は我々よりも多くのミサイルや航空機を持っている。それでも我々は持ちこたえてきた。


ロシアの戦略はずさんだ。視界に入った全てを焼き尽くし、破壊してきた。勇敢な米国の軍隊が1944年のクリスマス、ヒトラーの軍隊と戦ったように、ウクライナ人は今年のクリスマスに戦っている。ウクライナは持ちこたえており、決して投降しない。あなた方の支援は不可欠だ。戦いに耐えるだけでなく、勝利へのターニングポイントにするためだ。


これまでの金融支援にも感謝したい。米国の資金は慈善事業でなく、私たちが最も責任ある方法で使う世界の安全と民主主義への投資なのだ。ロシアは、その気になれば、侵略を取りやめることができた。国際的な法的秩序が我々の共通の課題だ。私がバイデン米大統領と話し合って設けた(平和構築に向けた)10項目の内容は、これから数十年間、我々の共同安全保障のために実施されるべきだ。


2日後にはクリスマスを祝うが、(ウクライナに)電気はない。ロシアがミサイルでエネルギーインフラを攻撃したためだ。だが、我々は文句を言わない。だれの方が楽な生活をしているというような比較はしない。あなたが幸福でいられるのは、あなたの国の安全保障のおかげだ。独立のための闘争と、多くの勝利の結果だ。我々ウクライナ人もまた、尊厳と成功をもって、独立と自由のための戦いをやり遂げるだろう。


我々は強いウクライナをつくる準備ができている。我々には強い国民、強い軍隊、強い制度がある。ウクライナ、欧州全体、世界のために強靱(きょうじん)な安全保障を作り上げる。これは欧州と世界の民主主義を守る基礎になる。


米国民の皆さんに感謝を申し上げたい。バイデン大統領、上下両院は貴重な援助を与えてくれた。ウクライナ人を受け入れてくれたことに感謝する。ここに立ったいま、この瞬間にぴったりなフランクリン・ルーズベルト米大統領の言葉を思い出す。ウクライナ国民は絶対に勝利するだろう。ウクライナ軍は多くの部分において、世界に頼っている。バフムトでの演説中、人々が旗を渡してくれた。ウクライナ、欧州、そして世界を命がけで守る人たちの旗だ。我々は立ち上がり、戦い、そして勝つのだ。ウクライナ、米国、そして自由な世界全体が一つになっているのだから。


軍隊と市民に、神のご加護がありますように。米国を永遠に祝福してくれますように。メリークリスマス。そして勝利の新年を。


米国だけでなく世界全体に「支援疲れ」が広がる中、最大支援国の米国の議会で超党派による協力を求めたことには成果は合ったように思います。しかし、来年1月からの米連邦議会では野党の共和党が下院での主導権を握ります。ウクライナ支援に否定的な共和の保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」の所属議員は欠席していたり、演説に拍手をしないでいる場面がみられました。共和党内に30~40人がいるといわれ、トランプ前大統領の掲げる「米国第一」に共鳴、国際協調自体に懐疑的なようです。
来年は2022年のような支援は難しくなるかもしれません。

 

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11月の訪日客93万人、コロナ前の4割弱に回復

インバウンド消費の回復が目立ってきました。日本政府観光局(JNTO)が21日に発表した11月の訪日客数は93万4500人で、新型コロナウイルス禍前の2019年同月比で4割弱の水準に戻りました。国際線の予約は上向きつつあり、ホテルの宿泊料も高騰しており、旺盛なインバウンド消費が国内景気を下支えする一方、深刻化する人手不足への対応などが課題となると記事にはあります。


戻ったきたとはいえ、まだ4割弱です。記事にもあるグラフを見たら、コロナ前と比べるとまだまだだなということが一目瞭然です。


10月からの個人旅行解禁や短期滞在でのビザ免除措置の再開が訪日客数を押し上げています。国・地域別で特に目立つのが韓国です。同国の11月の訪日客数は約31万人で、19年同月比で約1.5倍になりました。次いで台湾が約10万人、米国が約8万人。中国は12月にゼロコロナ政策を緩和したものの、11月実績は19年比97%減の約2万人にとどまりました。訪日客数の押し上げには中国からの訪日が欠かせませんが、現地での混乱を見聞きしていると、まだしばらくは厳しそうな気がします。


厳しいと言えば、人手不足も悩ましいようで、人数の確保と労働生産性の向上の両方を関連企業はやらないといけないということです。来年以降、どこまで戻ってくるでしょうか。

 

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サッカーW杯カタール大会、私の選ぶベスト11

先日閉幕した、サッカーW杯カタール大会。

 

個人的には1986年のメキシコ大会(それ以来のアルゼンチンの優勝)からW杯を見始めましたが、ちょうど今回が10大会目。

 

個人的には、今までの中で一番楽しませてもらった大会でした。まあ、その要因は「日本代表の躍進」のおかげでもありますが、日本代表が負けてからも、準々決勝、準決勝、3位決定戦も好ゲームばかりで、最後のアルゼンチンvsフランスのファイナルが、これまた極上のゲームでした。

 

そこで、今大会の私が選ぶベスト11を紹介したいと思います。

 

だいたい、全試合の半分前後は見ていますが、中継の時間帯等により、結構偏りがあります。見ているチームとあんまり見ていないチームがあります。そんな中選ぶので、「何でこの選手が入っていないの?」と思われるかもしれません。そこは何卒ご容赦頂いて、さっそくゴールキーパーからいきたいと思います。

 

【GK】

エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン)

 

毎回そうですが、今大会も好キーパーが目白押しでした。日本も苦しめられたクロアチアのリバコビッチや、モロッコのブヌなどと悩みましたが、マルティネスにしました。

 

アルゼンチンはいつもタレント豊富ですが、ここのところGKにはあまり恵まれていませんでしたが、マルティネスの神がかりセーブにチームは随分と助けられました。

 

特に、決勝戦のPKストップが見事でしたが、試合終了間際のコロムアニのシュートを体をいっぱいに伸ばして止めたプレーは、キーパー出身としては涙が出そうになりました。

 

PKの時に、エムバペを挑発したり、やり過ぎてイエローカードをもらったり、とても少年少女には見せれない振る舞いでしたが、これがアルゼンチン、これがW杯とも言えます。

 

【DF】

フィルジル・ファンダイク(オランダ)

 

いいGKがいるチームが強いのは間違いないですが、同じくらいセンターバックは重要です。CBがいいチームが順当に勝ち上がっていますが、やはりファンダイクの存在感は別格でした。あんなCBがいるチームのGKをやってみたいなと思いました。

 

最後、アルゼンチンとの準々決勝のPK戦の1人目で外してしまいましたが、それで評価が下がるような選手ではありません。

 

ヨシュコ・グヴァルディオル(クロアチア

 

今大会のニューヒーローのひとりで、20歳の若きCB。身長は185㎝とそこまで大きくないものの、いかつい黒のフェイスガードはテレビ画面ですぐ分かりました。

 

貴重な左利きのCBで、日本戦もことごとく彼に跳ね返されました。ライプツィヒ(ドイツ)から、どこにステップアップするか楽しみです。

 

アクラフ・ハキミ(モロッコ

 

日本が決勝トーナメントで当たるF組の選手だったので、よく見ていましたが、もう予選リーグの段階から、右サイドバックはハキミしかいないなという印象でした。

 

攻めてよし、守ってよし。準決勝のフランス戦での、エムバペとの所属チームメイト同士のマッチアップはまさに世界レベルでした。

 

三苫薫(日本)

 

唯一のベスト16どまりのチームから選出。チームはベスト8には惜しくも進めませんでしたが、三苫だけは準々決勝に連れていってほしいなと、ありえない願いを持っていました(笑)

 

本来はMFよりも前のポジションの選手ですが、プレミアで鍛えられた守備力も存分に披露。

 

ゴールには繋がりませんでしたが、スペイン戦で左サイドを疾走し、世界レベルのカルバハルを置き去りにしてクロスを上げたシーンに、「日本も個で十分戦える」と確信しました。

 

彼もブライトンからのステップアップが楽しみです。

 

【MF】

ルカ・モドリッチクロアチア

 

誰が選んでもベスト11に入る選手のひとりです。

 

日本に、エムバペやメッシが生まれるのを期待するよりも、モドリッチのようなタイプなら少し期待できそうで、今の代表なら鎌田大地にそうなってほしいなと思っています。

 

だからと言って、前のふたりよりモドリッチの方が劣るかと言うと、全く持ってそういうことではなく、タイプ的に日本のサッカーにも合いそうなので、そう望んでしまいます。

 

オーレリアン・チュアメニ(フランス)

 

22歳でレアルマドリードの主力を張り、満を持してのW杯デビュー。全試合に先発出場し、中盤で相手のボールを刈りまくっていました。4年後にどんな選手になっているのか、これまた楽しみな選手です。

 

決勝のアルゼンチンとのPK戦で外してしまったのは残念でした。もう左に強く蹴るのを決めていて、さあぶち抜こうと思ったら、マルティネスとタイミングが合っていることがわかり、より厳しいコースを狙おうとして、枠を外してしまった、そんな印象でした。でも、評価が下がることはありません。

 

リオネル・メッシ(アルゼンチン)

 

選手理由の説明が不要な右代表、みたいな選手です(笑)

 

ポジションもMFにしましたが、FWでもどこでもよく、ポジション=メッシという感じです。

 

代表チームには、メッシのために献身的に走り回る選手がたくさんいましたが、このベスト11にはあまりいないので、このチームでは輝けないかもしれません(笑)

 

【FW】

ハリー・ケイン(イングランド

 

惜しくも準々決勝でフランスにPKで敗れましたが、ほんと、そろそろタイトルを獲らせてあげたいというチームでした。

 

トッテナムでもゴールを量産しており、前回大会の得点王でもあります。しかし、今大会は味方に好アシストをするプレーが目立ち、何か新境地を見出した感じがして、選出しました。

 

彼も、PK戦で外してしまったのは残念でした。なんか、PKを外してしまった選手をやたら選んでいるのは気のせいかな(笑)

 

リシャルリソン(ブラジル)

 

チームはまさかの準々決勝敗退でしたが、リシャルリソンのセルビア戦でのスーパーなオーバヘッドシュートは、予選リーグだけでなく大会通しての、自分的にはベストゴールでした。

 

豪快に叩き込んだというよりは、あまりに美しすぎるオーバーヘッドで、アートな感じすらしました。

 

もっと見たい選手でした。

 

キリアン・エムバペ(フランス)

 

8ゴールで堂々の得点王。そのゴールのどれもが、印象的で豪快で、でも繊細なゴールでした。

 

なかでも、アルゼンチンとのファイナルで見せたPK3発。反撃のPK、同点のPK、そしてPK戦1人目のPK。すべてを同じコースに、しかもあのPKを止めまくってきたマルティネスから決めるって、技術もメンタルも異次元です。

 

メッシやロナウドモドリッチネイマールまでも、4年後にW杯のピッチには立たなさそうです。では4年後の王様はだれか?エムバペがさらに凄みを増して、誰をも寄せ付けないのか、はたまたニューヒーローが現れるのか、4年後が今から楽しみです。

 

以上が、私の選んだ11人です。

 

ポジション的には、

 

エムバペ  リシャルリソン   ケイン

 

       メッシ

 

   チュアメニ   モドリッチ

 

三苫               ハキミ

  グヴァルディオル  ファンダイク

 

      マルティネス

 

となります。

 

みなさんのベスト11もぜひ教えてください!

 

建前と偽善の米国左派、裏庭には原発・風力拒絶

バイデン米大統領が推進する地球温暖化への取り組みに、国内の左派がことごとく抵抗しています。8月にクリーンエネルギー推進策を盛り込んだインフレ抑制法が大きく報道されましたが、12月上旬にお蔵入りとなりました。この結果、2020年代末までに温暖化ガス排出量を実質50%削減するというバイデン氏の目標は事実上、達成不可能となりました。


米国の左派が、地球温暖化は人類の「存亡にかかわる最大の脅威」だと主張していることは正しい。しかし、温暖化ガスの排出実質ゼロを米国が達成するには、原子力発電を拡大しなければならないことは疑問の余地がなく、風力と太陽光を増やすだけでは実現できません。だけど、左派の人たちは、実利に繋がる行動より、道徳的に正しいかどうかを優先する傾向があると、記事にはあります。


地球温暖化は人類の存亡の危機だけど、「原発メルトダウンへの行き過ぎた不安は除く」や「我々の不動産の価値を害するなら、その限りではない」といったただし書きが前提条件として加わり、結局は実現しません。左派の偽善は「NIMBY」という言葉に表れています。ニンビーとは「Not in my back yard(うちの裏には勘弁)」の略です。総論は賛成だけど、自分の裏庭にある不動産には原発も風力もお断り、ということです。
もうひとつおもしろいワードが紹介されています。このような問題を「バナナ」と称しています。バナナ、「Build Absolutely Nothing Anywhere Near Anything(どんなものの近くにも一切、絶対に何も建てない)」の略です。左派と共和党は、米国の脱炭素の行く手にバナナの皮をまき散らしていると、なかなか辛辣です。


実利と道徳、どちらも大事ですが、あんまり偏るとこういうことになってしまいます。

 

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W杯観戦を含む長期外遊、リベリア大統領が批判の的に

サッカーW杯カタール大会では、昔の有名選手の息子の多くが選手としてプレーしているのを目にしました。過去の大会よりかなり多かったなという印象です。その中のひとりに、米国のティモシー・ウェア選手がいます。そのウェア選手が、ウェールズ戦で見事ゴールを決め、スタンドで見ていたお父さんが喜ぶ姿が見られました。


息子の雄姿を見て喜ぶ父の姿はほほえましいものですが、このお父さんが大統領になるとちょっと趣が変わってきます。父のジョージ・ウェア氏は、イタリアのACミランなどで活躍し、アフリカ選手として初の、そして今のところ唯一の年間最優秀選手「バロンドール」受賞者です。そして、2018年に西アフリカの最貧国のひとつである母国のリベリアの大統領を務めています。


そのウェア大統領が、カタール訪問を含めた、何と7週間に及ぶ長期間の外遊に、リベリア国内で批判が高まっているようです。大統領側は国益のためと強調していますが、23年の大統領選で野党連合から対抗馬として出馬予定のカミングス氏は、「これほど長く自国を離れている政治指導者は世界中どこを探してもいない」と話しています。ウェア大統領にっとって、大統領職は「人生を楽しみたいウェア氏にとっては気晴らしみたいなもの」との見方をされることも多いと、記事にはあります。


世界銀行によると、リベリア経済は21年に5%成長したが、22年は世界的な先行きの不透明感や1次産品価格ショックのため、成長は鈍化しているといいます。同国のGDPは34億9000万ドルと経済規模は小さく、農産物の輸出に頼っています。リベリアのインフレ率は6.9%で、他の西アフリカ諸国よりははるかに良い状況ですが、貧困は改善していません。多くの国民が教育や医療サービスを受けることができず、社会的には世界でも最悪の状態に置かれているとのこと。


野党連合は別にして、国民が不満を持つのは理解できます。息子がリベリア代表だったらまだしも、他国の代表選手として出場していますし、批判の的になるのは致し方ないと思います。

 

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アルゼンチン、36年ぶり2度目の優勝、フランス、連覇ならず

本当にいろんなことがあった、サッカーW杯カタール大会。最後の最後に、極上の試合を見せてくれました。90分戦って2-2、延長戦も1点ずつ取り合っての3-3。「もう両方とも甲乙つけがたいので、悪いけどPKで決めてね」とサッカーの神様に言われている気分でした。


様々な見どころがあったこのファイナルですが、個人的に一番感動したのは、メッシとエムバペの両エースが、ひとり目に出てきてしっかりPKを決めたことです。メッシは2ゴール、エムバペはハットトリックの3ゴール。ふたりとも歩いている時間も相対的に長く、運動量が少ないと言われますが、120分間プレーをし、決めるところはきっちり決めて、臨んだPK戦。アベマの解説の本田圭佑の言葉を借りるまでもなく、これまでのW杯で大事なところでエースがPKを外すシーンを幾度も見てきました。ここでどちらかでも外したら、悲劇のヒーローがこの試合の主役となって、語り継がれてしまいます。それもサッカーなので致し方ないのですが、これをふたりともしっかりネットに沈めてくれた。それも、エムバペはパワーで、そしてメッシは技術で、それぞれ「らしい」キックが本当に見事でした。


アルゼンチンもフランスも、それぞれ、メッシのチームであり、エムバペのチームです。8ゴールとハイレベルの得点王に輝いたエムバペはまだ23歳。前回のロシア大会と合わせて通算12ゴール。4年後にどこまで伸ばしてくれるか今から楽しみです。


そして、悲願のW杯とトロフィーを掲げたメッシは、ようやくマラドーナに並ぶ存在になりました。クラブチームでの実績はもちろん、W杯での記録、そして今大会のパフォーマンスからすると、マラドーナを超えたといってもいいかもしれません。


2022年カタール大会は、メッシの大会となりました。

 

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