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札幌招致、負の遺産捨てて

2030年冬季五輪の札幌への招致活動に強い逆風が吹いています。東京五輪をめぐる汚職や談合が明らかになり、札幌市民や国民が応援できる状況にありません。そんな中、安田秀一さんは「札幌五輪に賛成します」と言います。私も、札幌五輪を楽しみにしているひとりですが、賛成するには条件があると安田さんは言います。


まずやるべきは「人事の刷新」だと。公表されている札幌五輪の開催概要計画案は素晴らしいものです。組織の透明性の確保をはじめ、古い施設を改修して使用するなど、基礎的な必要条件もきっちり盛り込まれています。だが、その内容が認知されるどころか、「もう五輪はこりごり」と反対ばかりの逆風が吹き荒れています。その理由は明らかで、招致の中心にいる顔ぶれが、橋本聖子氏や山下泰裕氏など東京五輪と全く同じだからです。苦労しながらやるにはやった東京五輪ですが、終わってみたら汚職や談合事件だらけ。なのに、メンツはそのままとはどういう神経をしているのでしょうか。


安田さんが組織委員会会長になったら、東京大会に関わった人たちは招致活動からすべてご退席願い、組織委員会の理事候補は原則40代以下として世代交代を進めると。そういう安田さん自身も2030年には60歳を過ぎているので、若くして世界のスポーツシーンの最先端を見続け、スポーツの本質を理解し、ビジネスマインドを持ち、若い経済人とも強いコネクションを持っているスキーの皆川賢太郎氏やフェンシングの太田雄貴氏、水泳の松田丈志氏らを挙げています。


もう大賛成です。これは、五輪組織委員会に限らず、どの組織もそうしたらいいところはたくさんあると思います。でも、それができないとするならば、何か理由があるのでしょう。

 

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