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中国本土の富裕層、マカオでmRNAワクチンに殺到

中国の国産ワクチンではなく欧米製の「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンを打とうとする中国本土の人々がマカオへ殺到し、観光客向けにワクチン接種を提供している唯一の病院の予約枠を埋め尽くしています。


中国にドイツのビオンテック社製のmRNAワクチンが発送されたというニュースを見て、いよいよ欧米製のワクチンが入るのかと思ったら、在留ドイツ人向けとして特別に許可されたようで、「数億回分の供与も可能」というシュタインマイヤー大統領からの申し出を習主席は断ったそうです。途上国にも中国製ワクチンを提供する「ワクチン外交」を展開してきた経緯もあり、引き続きメンツ優先しています。


それでもmRNAワクチンを打ちたい人はマカオへ行くしかないとのことで、中国国内の富裕層はマカオへ殺到しているようです。


今月発表された英医学誌ランセットシンガポールでの研究では、免疫反応を引き出すために不活化ウイルスを使う旧来技術をベースとしたシノバック製やシノファーム製ワクチンを3回接種した人が新型コロナに感染した場合、mRNAワクチンを3回接種した人のほぼ2倍の割合で重症化することが分かっています。中国製ワクチンを接種した人は、入院に至る確率も50%高いそうで、わざわざマカオまで行って接種したい気持ちは分かりますが、それもその情報を知りえるのは富裕層だけ、ということです。

 

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