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トランプ氏、麻生太郎氏と会談 「シンゾー通して知る人」

自民党の麻生副総裁が、米ニューヨークのトランプタワーで、トランプ前米大統領と1時間ほど会談しました。

トランプ氏はタワーの玄関で自ら麻生氏を出迎え、麻生氏については「私たちの親愛なるシンゾーを通して知っている人だ」と強調。今回の会談は大統領選が今秋に迫る中、現職大統領の対抗馬に会うというあんまりない例のない訪米・会談でした。

関係者によると、日本側からではなくトランプ氏側からアプローチがあったようです。まだトランプ氏が共和党候補に決まる前の2023年半ば頃に、トランプ氏は側近らと日本の話題になった時に「シンゾーに会いたいな」と話したところ、側近がすでに亡くなっていることを伝えました。すると、「そうだった。それならミスター・アソーだ。彼なら私も知っている」と2番目に麻生さんの名前を出したとのこと。今年1月に麻生さんが訪米した際も面会を探ったようですが、トランプ氏が遊説中で実現せず、今回に至ったようです。

今回の会談は会談の中身よりも、会談が実現したことにたくさんの意味があります。
まず、トランプ氏は、大統領選前に存在感をアピールでき、自尊心も高められます。8日にはキャメロン英外相に会い、ポーランドのドゥダ大統領とも会談しました。トランプさんは、普通の挑戦者とは違い、2期目を目指す現職大統領といい勝負をしているからこそ、みんなオレに会いたいんだと、あちこちでネタにできます。

麻生さんも、トランプさんと同じです。元首相で、この役目は俺以外に誰ができる?と顔に書いてあります(笑)。岸田首相にしても、バイデン大統領への配慮から、自分が会うわけにはいきませんが、「トランプ大統領再選」の可能性を考えると、ツバをつけておきたい状況です。今回の麻生氏の会談は、自身の訪米後になったので、バイデンさんも目くじらは立てないでしょう。

あと最後に、長く続く自民党政権だからこそ、こういうことができるんだよなとも思いました。百万が一、立憲民主党が政権に返り咲いても、「首相は行けないから、誰が代わりに行く?」となった時に適当な人材がいません。自民党に頼むことも、頼まれることもしないでしょう。自民党は底が見えないくらい絶賛低迷中ですが、まだまだ財産があると思うと、何だかなあと下を向いてしまいます。

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