時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

ブライトン0-3アーセナル 2024_4_6 #18-84

イングランド・プレミアリーグ第32節。アーセナルをホームに迎えたブライトンは、0-3で敗れました。

ブライトンは、ELラウンド16でASローマと2試合戦い、3/31はリヴァプールと、1試合挟んで今日はアーセナルと、格上チームとの対戦が続いています。三笘薫など主力にケガ人が多く、火の車状態で、直近5試合は1勝2分2敗と低迷。この後も、バーンリー、チェルシー、そしてシティとシーズン後半に向けて踏ん張り時です。

ホームでは12戦負けなし(6勝6分)と非常に強いので、今日のアーセナル戦には浮上のきっかけになればよかったですが、そう甘くはありませんでした。

前半も後半も同じような感じで、最初ブライトンが押し込むのですが、攻めさせている感のあるアーセナルは、受けてから押し返していく感じ。特に守備の時のアーセナルの5・4・1のブロックは堅く、今年に入って4失点しかしていないのがうかがえます。

リーグ戦直近10試合は9勝1分と抜群に安定しているアーセナル

前半33分にジェズスが得たPKをサカが決め先制。

後半17分には、ジョルジーニョがうまく右ポケットをとり、折り返しをハヴァーツが決め2点目。そして、後半41分に途中出場のトロサールが、カウンターから落ち着いて決め3点目。先制、中押し、ダメ押しが理想的でした。

冨安健洋も後半27分にジンチェンコにかわって途中出場。来週のCLベスト8初戦での先発はあるでしょうか。とても楽しみです。

アーセナルは、1試合消化試合の少ないリヴァプールを抜いて、首位に再浮上。

対するブライトンは、9位から10位に後退。エンシソが戻ってきたのは大きいですが、まだまだ戦力的には足りません。

ボルネオ島で鉄道計画浮上 インドネシアなど3か国縦断

とてもニッチな記事ですが、個人的にはとてもノスタルジーな内容なので取り上げたいと思います。自民党員の処分の話を取り上げても暗くなるだけですから…。

インドネシアとマレーシア、ブルネイにまたがるボルネオ島(ボルネオは英語・オランダ語インドネシア語カリマンタン)で、これらの3か国を結ぶ高速鉄道計画が浮上しています。

4つの終着駅を含む24駅が新設され、走行距離は1620キロ、最高時速350キロ、「トランス・ボルネオ」プロジェクトの総工費は700億ドル(約10兆円)と見積もられていて、インドネシアでもマレーシアでもなく、小国ブルネイを拠点とするインフラ企業ブルナジー・ウタマが同計画を発表しました。

工事は第1期と第2期に分かれています。第1期はボルネオ島の北西部を通るルートで、インドネシア西カリマンタン州の州都ポンティアナックから、マレーシアのサバ・サラワク、ブルネイを通り、コタキナバルが終点。ポンティは駐在していた時に何度も出張で行きました。マレーシアのミリやビンツルも行ったことがあります。コタキナバルは行ったことありませんが、駐在員事務所があり、駐在を夢見てた時期があります(笑)。

そして第2期は、カリマンタンの東を走り、南に進むルート。港湾都市のバリックパパン、そして新首都のヌサンタラも通る計画だといいます。途中に通るサマリンダもよく行きました。バリックまで飛行機で行き、そこから車で行ってましたが、汽車で行ける日が来るのでしょうか。

このトランス・ボルネオ・鉄道プロジェクトにインドネシアやマレーシアが参加するかどうかは明らかにされておらず、「絵に描いた餅」になる可能性も十分ありますが、それでも彼の地に関わったことがある者にとってはロマンあふれる計画です。できたら乗ってみたいが、私が生きている間にできるでしょうか…。

 

www.nikkei.com

www.malaymail.com

仮定法的な謝り方に百害あって一利なし 静岡・川勝知事

静岡県の川勝知事は1日の県庁入庁式での訓示で、「野菜を売ったり牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と発言。職業差別として県民らからの苦情が殺到しました。2日夕に発言に関する報道陣の取材に応じた際、「6月の議会をもって職を辞そうと思っている」と辞意を表明しました。

この2日夕方の記者団とのやりとりを見て気づいたことがあります。何か失言をした後に釈明をする際、よく耳にする言い回しが今回もありました。

「そのこと(=今回の職業差別発言)で何か不愉快な思いをされたということであれば、誠に申し訳なく思います。」

「もし~なら」という仮定法的な言い回し、「されたということであれば」です。何でこんな言い方をするんでしょうか。「不愉快な気持ちになった人がいない」と思っているのかもしれません。多分不愉快になった人なんていないと思うけど、もし万が一にもいるかもしれないから一応謝っておこうという感じでしょう。こう思っているなら分かります。

あとは、自分の非をまっすぐ認めたくないのかもしれません。この程度の発言で何を騒ぐの?という思いから、「不愉快な思いをさせて誠に申し訳ない」とは言えない。自身のプライドやこれまでの短くない知事キャリアが邪魔しているかもしません。

同じ辞めるのなら、気持ちよくではないですが、「つい口が滑った。ミスった。すみません」と潔く言えばいいのに、この仮定法的な謝り方は百害あって一利なしだと思います。自分も気をつけようと思います。

 

www.sankei.com

東南アジア「米より中国」半数、経済の影響拡大映す

2日続けてASEANの話題です。

シンガポールシンクタンクが2日に発表した調査で、ASEAN各国が米国と中国の選択を迫られたら「中国を選ぶ」と答えた国が初めて半数を超えたとのことです。調査は東南アジアの民間企業や政府、研究機関などに所属する識者を対象とし、2019年から実施しています。

中国を選択すると答えた人は50.5%と米国をわずかに上回り、23年調査より11.6%も上昇しました。23年調査では、米国61.1%に対し中国38.9%と、20ポイント以上の差をつけていました。

各国細かく見ると、なかなか興味深い数字が並びます。対中姿勢を3つに分類した昨日のグループ分けでいくと、まず「親中」グループの3か国ですが、ラオスの中国7割越えは分かりますが、カンボジアミャンマーが5割割れなのはちょっと驚きました。国の政策と識者の思いに少しズレが見られます。

唯一の「対立」だったフィリピンですが、米国83.3%と「盤石」です。

一方、「米国と両にらみ」グループのベトナムは米国79.0%。逆に、マレーシアは中国75.1%と中国を選択した国の中で最も高く、昨年より20.3ポイントも伸びました。次ぐインドネシアも73.2%と同19.5ポイントもアップ。「両にらみ」では不満が出そうなくらい、ベトナムは米国に、マレーシアやインドネシアは中国に、それぞれ偏っています。

ちなみに、日本は「信頼できる国・地域連合」で1位を獲得し、信頼度は昨年より増しました。国際法順守の観点や経済力に期待する人が多く、米中やEUと比べても日本への信頼が厚かった。休暇に訪れたい旅行先としても、ASEAN加盟国や韓国、欧米諸国を抑えて日本がトップだったそうで、ありがたい話ではあります。

 

www.nikkei.com

習氏「途上国で共同体を」インドネシア次期大統領と会談

インドネシアの次期大統領に就くプラボウォ氏は、北京で習主席と会談しました。

2月の大統領選で勝利したプラボウォ氏が最初の外遊先に選んだのが中国。インドネシアの貿易総額に占める中国の割合は2023年に約30%と、10年前の18%から大幅に増加しました。インドネシアへの直接投資の国別ランキングもシンガポールに次いで2位。「中国詣で」をするのはある意味当然とも言えます。

習氏は会談で「中国とインドネシアはともに発展途上の大国だ」と述べ、経済や海洋の協力に意欲をみせました。中国とASEANの「運命共同体」を築くため、インドネシア側に団結を呼びかけました。

ASEAN各国の対中姿勢を3つに分類している表がとても分かりやすいです。まず「親中」グループは、カンボジアラオスミャンマー。新中の立場を鮮明にし、米国などとは一線を引きます。ほぼほぼ何があっても親中でしょう。

次が「米国と両にらみ」グループ。ブルネイシンガポールベトナム、マレーシア、タイ、そしてインドネシアもここです。中国との関係を重視する一方、南シナ海への進出拡大を警戒して、米国との安保協力も広げます。

そして「対立」のグループ。ここにフィリピンがASEANで唯一います。ドゥテルテ前大統領時代は「両にらみ」と「親中」の間くらいだったイメージで、現マルコス政権になってからもしばらくは変わらずでしたが、ここにきて米国と相互防衛条約を結ぶなど、「対立」に傾斜してきました。

来週岸田首相が渡米しますが、11日にはバイデン大統領、岸田首相、マルコス大統領は、ワシントンで初の3か国首脳会談を開きます。日米比3か国で南シナ海の安全保障を軸に歩調を合わせてきましたが、協力分野を経済安保にまで広げて厚みを持たせようとしています。

「米国と両にらみ」グループに今後変化はあるでしょうか。インドネシアの対中政策も注目です。

 

www.nikkei.com

リヴァプール2-1ブライトン 2024_3_31 #17-83

イングランド・プレミアリーグ第30節。2位のリヴァプールと9位のブライトンの注目の対決は、リヴァプールが2-1で勝利しました。

遠藤航と三笘薫び対決が見られればなお面白かったのですが、三笘はケガで離脱中。一方、遠藤はボランチにどっかと座りフル出場と、今やすっかりチームの中心選手です。何か体も一回り大きくなったように見えます。自分の調子にチームの好調さも合わさって、迷いなくプレーできているように見えました。

試合は、アウェーのブライトンが開始2分に先制。ルーズボールウェルベックが突き刺しました。

まだ90分以上時間はあるので、慌てないリヴァプール。右にマーチ、左に三笘がいれば、両方から攻めれるブライトンですが、ふたりともおらず。左のアディングラはどんどん入り込んでいきますが、右のランプティは相手の左サイドを蓋する感じで、ほとんど攻めません。これならリヴァプールも守りやすそう。

前半27分に、右CKからルイス・ディアスが押し込み同点。

リヴァプールは、遠藤を底に、右がマカリステル、左がソボスライという「逆三角形」がとても機能しています。ディアス、ヌニェス、そしてサラーが3トップで安心してゴールに向かえます。

CFのヌニェスはリーグ戦10ゴールと結果を残してはいますが、迫力は今一歩。彼がスーパーな選手になれば、リヴァプールはもっと強くなりそう。

しかし、このチームには大黒柱のサラーがいます。この人にボールが渡れば、何かが起きそうな気がする。前半の決定機は決めきれませんでしたが、後半20分にリーグ戦16点目となるゴールを決め、勝ち越し。そのまま逃げ切りました。

首位を争うシティとアーセナルスコアレスドローだったため、リヴァプールが再び首位に立ちました。

がんばれ、新社会人!「脱デフレ世代」に期待

きょうは4月1日。4月1日が月曜日なんて、ちょっと気分がいいですね。でも新社会人は気が重いか…。多くの会社で入社式が行われることと思います。

「今年の新入社員はどんなタイプ?」という民間調査があります。3つの調査会社がリレー方式で発表していて、最も古い記録の1973年度の新入社員は「パンダ型」でした。その心は「おとなしく、かわいいが、人になつかず世話が大変」。翌74年は「ムーミン型」で「人畜無害でおとなしいが、大人か子どもか得体の知れず」。コインロッカー型とか使い捨てカイロ型とか、ネーミングはもちろん。特徴もユニークにとらえているのがなかなかおもしろいです。

今年2024年度の新入社員のタイプは「新NISA型」。目標とする未来が定まれば、自分で情報を集め選択して歩き始めるタイプだそうです。この記事を書いた日経論説主幹の藤井氏は「脱デフレ型」と名付けています。

最後に、私の入社した1995年は何だったかというと「四コママンガ型」。理解に時間がかからず傑作もある一方で、市場にあふれているので安く調達できるとのことです。

 

www.nikkei.com

【CLラウンド16ハイライト】バルセロナ、アーセナルがベスト8へ

欧州チャンピオンズリーグのラウンド16、2試合ずつ、結果をおさらいしています。

 

バルセロナ4-2ナポリバルセロナがベスト8進出)

2/21 1stレグ:ナポリ1-1バルセロナ

あの英雄が在籍した両チーム同士の「マラドーナ・ダービー」ともいえるビッグマッチ。バルサの黄色いユニが 見慣れません。

試合は、両チームの背番号9のエースストライカーがともに力を発揮。先制はバルサレバンドフスキ。右足を振りぬき、実にストライカーらしいゴール。ナポリも、オシムヘンがボックス内で見事なターンを見せ、同点ゴール。2ndレグが楽しみになりました。

 

3/12 2ndレグ:バルセロナ3-1ナポリ

前半15分にバルサらしい美しいパスワークからフェルミン・ロペスが決め、バルサが先制。2分後には、カウンターからヤマルがラフィーニャに縦パス。シュートがポストに跳ね返ったのをいいところにいたカンセロが決め2点差に。

これで勝負あったと思いましたが、前半の内にナポリが1点返し、まだまだ分からないぞと。後半36分の絶好のチャンスを決めれず、2分後にレバンドフスキに決められ、勝負あり。イタリア勢はすべて姿を消しました。

 

アーセナル1-1(4PK2)ポルトアーセナルがベスト8進出)

2/21 1stレグ:ポルト1-0アーセナル

がっぷり四つの両チーム。後半29分まで選手交代なしは珍しい。先に動いてリズムを乱したくない。それくらい集中力の高い試合内容。ボール支配はアーセナルが62%と優勢も、したたかにカウンターを狙うポルト

これはスコアレスで2ndレグかと思った後半ATにドラマが。

自陣でマルティネッリが前線へわずかなフィードミス。PTエリアへのポルトの侵入にライスの寄せが少し甘く、右足のカーブシュートをガレノに決められ、ホームのポルトが劇的勝利!

 

3/12 2ndレグ:アーセナル1-0ポルト

1stレグ同様、目が離せない展開。1点を追うアーセナルは、前半終了が見えてきた41分にトロサールが待望の同点ゴール。ケガで離脱中の三笘薫と同じ左サイドが主戦場のトロサールだが、同じ右利き、体格も同じくらい。彼くらいの得点力を三笘が持ったら、さらにすごい選手になる。三笘は元チームメイトのトロサールを目標にしてほしい。

試合は、ホームのアーセナルが押し気味も、ポルトが41歳のペペを中心に守り切り、PK戦に。GKラヤの独壇場で、アーセナルが辛くもベスト8進出。

プロ野球きょう開幕 昨年覇者チームが中心に

昨シーズンのリーグ王者の阪神タイガースオリックスバファローズがやはり中心になると思います。

昨年38年ぶりの日本一に輝いた阪神は、オープン戦は3勝14敗1分の最下位。いくらオープン戦の結果は関係ないといっても、さすがに負けすぎやろと虎党を心配させています。それを払しょくするには2年連続開幕投手を務める青柳にスカッとしたピッチングをしてもらいたいところ。対する巨人の前評判が高いですが、新外国人がシーズン直前に退団してしまったのは何ともトホホなスタート。巨人も開幕カードを勝ち越して、不安を一掃したいでしょう。

広島は、昨年3位と躍進しましたが、新井監督に2年目のジンクスはないか…。DeNAはドラ1の度会が相当やりそうですが、今永・バウアーの穴は簡単には埋まらない。ヤクルトはサイスニードが開幕投手なだけで先発陣に不安が見える。中日も主力の岡林や石川、ビシエドが2軍スタートとこちらも不安。そう考えると、阪神の選手層の厚さは抜けている気がします。

パリーグ3連覇中のオリックスは、山本由伸と山崎福也の移籍で失った27勝分をどうカバーするか。投手陣の層は厚いですが、これだけを埋めるのは簡単ではありません。開幕カードで対戦する小久保新監督率いるソフトバンクは、攻撃陣は山川の加入などで万全ですが、先発陣が心もとない。楽天も先発陣が高齢化で、野手もパッとしない。ロッテは佐々木が20勝近くすれば上位争いができるが、ここも攻撃陣が小粒。一方、西武と日本ハムには注目。西武は、山川が抜け打線は弱いが、高橋・今井・平良・隅田と先発陣が強力。日本ハムは、万波が完全に独り立ちし、山崎福也が加わり、アジチャンで活躍した根元が台頭すれば、Aクラスは十分あり得る。

順位予想は、
セ・リーグ:①阪神②巨人③中日④DeNA⑤広島⑥ヤクルト
パ・リーグ:①オリックスソフトバンク日本ハム④西武⑤ロッテ⑥楽天
としておきます。

 

www.nikkei.com

株高に潜む「父権主義」のワナ

日経平均株価が1989年末の高値を超え、日本経済が苦しんできた「34年の呪縛」がようやく解けたが、100年前からの呪縛はまだ続くと、記事にあります。

「100年前の呪縛」とは、後に日銀総裁に就く深井英五氏が日銀の書簡で「政府や日銀の父権主義は、国内でも批判されています」と1927年に英文で記したことが紹介されています。明治時代は金融や産業の基盤がもろかったので政府が前面に立つしかなかった。しかしそのような、政府がビジネスを支えるやり方はなくすべきだと学びつつありますとのことですが、残念ながら100年経ってもあんまり変わっていません。

主題にもある「父権主義」とは、パターナリズムとも言い、権力者が保護を目的に弱者に干渉し、市場目線では政や官が企業の活動に介入するとも言いかえれます。

この34年の間に、時価総額を飛躍的に増やしたのは、ニトリやディスコ、キーエンスなど、独創性を発揮した企業です。一方、沈んだ銘柄に目立つのは、父権主義が色濃く残る規制産業です。東証業種別株価指数の下落率を見ると、電気・ガスと証券・商品先物がそれぞれ70%前後、銀行は80%に及びます。

残念ながらこの「下落組」の存在感は小さくありません。34年前と時価総額を比較できる1189社中、増やした会社は3分の1の397社に過ぎず、減らした会社は2倍の792社。これが逆の数字ならいいんですが…。父権主義に染まる多くの会社の株安を、独創的な一握りの企業が株価を4倍近くに高めて埋め合わせたともいえます。

急ピッチで進んだ株高を継続させるには、3分の2を占める「下落組」がカギを握っています。

 

www.nikkei.com

インド・ムンバイ、北京抜きアジアで最も億万長者が住む都市に

大きくない記事ですが、ここにもインドの躍進が見て取れました。

中国の調査会社(というところがなかなか面白い)胡潤研究院の調べで、インド・ムンバイが中国の北京を抜き、初めてアジアで最も億万長者が多い都市になったと発表しました。

1/15時点で個人の株式保有などに基づいて算出したもので、米ドル換算でビリオネア・10億ドル(約1500億円)以上の資産を持つ富豪の人数は、ムンバイが92人で、北京の91人を抜き、アジアで一番多い都市になりました。世界でも、米ニューヨークの119人、英ロンドンの97人に続いて、3番目となりました。

インド全体では271人が「ビリオネア・リスト」に名を連ねますが、中国のビリオネアは814人とまだまだ差はあります。ただ、中国は株式市場や不動産市場の低迷や再生可能エネルギー業界での供給過剰が響き、同国の富裕層の資産は目減りしています。前年から155人減り、22年(1,133人)をピークに2年で450人近くがランク外に転落しました。中国勢のビリオネアの数は2016年に米国を抜き、9年連続で世界首位を維持してきました、24年は米国との差が14人まで縮まり、来年は首位陥落となりそうです。

インドの躍進、中国の低迷がわかる記事ですが、それよりも「ここ数年、中国の資産には大きな変化が出ており、不動産や再エネ産業の億万長者の資産は減少している」と現実をしっかり受け止めている胡潤研究院の姿勢が、いい意味で中国っぽくないなと感じました。

 

www.nikkei.com

サムスンも「大企業病」 前例踏襲主義、進まぬ事業刷新

サムスンのニュースを久々に読みました。

日本のエレクトロニクス産業を駆逐したサムスン電子。力のあるトップの決断力とアグレッシブに働く社員と組織力で世界を代表する巨人になりましたが、そんなサムスン大企業病に陥っているとのこと。

記事には、30代の研究開発職の社員がある改善アイディアに対して「前例なければGoが出せない」と上司に言われた話が載っています。サムスンの常務以上の役員任期は1年。短期間で結果を出さなければ再契約はなく、現場の技術者が腰を据えて研究開発に取り組む姿勢は必然的に薄れます。数年前はシャープやパナソニックなどに見切りをつける技術者が多かったですが、今ではサムスンに見切りをつけてSKハイニックスに転じる人が多いようです。

AIの浸透で需要急増中の「広帯域メモリー(HBM)」と呼ばれる次世代DRAMでは、米エヌビディアと協業するSKに先行を許し、スマホも長らく堅持してきた世界首位の座(出荷台ベース)を23年にアップルに明け渡しました。

中興の祖の先代会長が育てた事業の収益は細り、なかなか事業刷新は進みません。「いつか来た道」感が拭えない記事でした。

 

www.nikkei.com

テクノ新世×SF思考 津村記久子「サラ時と気難しい人間たち」

日経朝刊に連載されている「テクノ新世」というコーナーの第2弾企画となるコラボ小説「サラと気難しい人間たち」が土曜日に掲載されました。

作者の津村記久子さん。1978年大阪府生まれ。2009年に「ポトスライムの舟」で芥川賞を受賞。今年の本屋大賞グランプリにノミネートされている「水車小屋のネネ」を先日読みましたが、18歳と10歳の姉妹が家を出るというお話で、600ページのボリュームを土日で読みました。10作読んだ中で、私は「水車小屋のネネ」が一番面白かったです。自分の評価と実際の結果が同じであってほしいとは思いませんが、おそらくネネがグランプリをとるのではと思っています。

そんな津村さんの6回連載の短編小説「サラと気難しい人間たち」。第1話は紙面で読めますが、第2話以降は電子版でしか読めないようです。主人公の女性・としみの仕事はオンラインで「上質な雑談」を提供するトークアテンダント。としみと暮らすAI搭載ロボットのサラは、アテンダントを肩代わりできるほど会話にたけていますが、なぜか客たちは生身の人間との雑談を求め続けます。

粘着質な顧客に対し、「交替しましょうか?」とささやくサラ。サラが会話の内容を肩代わりしてくれながら、としみの顔のフェイク動画が切れ目なく話していく。フェイク動画を見破るアプリを顧客に使われてフェイクだとばれたら訴えられる可能性もあるが、最近フェイク動画だと見破られるのを防止するアプリを購入したので、たぶん大丈夫。それで、この仕事で稼いだお金も消えたのだが。なんて、リアルすぎます。

2話以降ももちろん読んでみようと思います。

 

www.nikkei.com

【CLラウンド16ハイライト】レアルマドリード、シティがベスト8へ

欧州チャンピオンズリーグのラウンド16、2試合ずつ、結果をおさらいしています。

 

レアル・マドリード2-1ライプチヒレアル・マドリードがベスト8進出)

2/13 1stレグ:ライプチヒ0-1レアル・マドリード

名前だけならレアル優勢ですが、ブンデス5位につけるライプチヒ。ボール支配率もほぼ互角で、レアルとバチバチにやりあいました。

前半は0-0でしのぎましたが、後半3分にレアルのブラヒム・ディアスにゴラッソを決められ、ライプチヒも攻勢に出ますが、0-1でタイムアップ。しかし、1点差ならまだまだ分からないぞと思わせてくれる1stレグでした。

レアルは、シティなどと比べるとどうも出力不足感が見えます。

 

3/6 2ndレグ:レアル・マドリード1-1ライプチヒ

まずは追いつきたいライプチヒ。19ゴールでブンデス3位につけるオペンダなどを中心に攻め立てますが、ベリンガムからVジュニオールと、カウンターのお手本のようなゴールを2人で決められ、2点差に。

しかし3分後に、前残りのCBオルバンが技ありヘッドを決め、1点差に。残り時間はまだ20分以上ある!同点に向けて攻めますが、レアルが1点差を守り切り、何とかかんとかベスト8入りを決めました。

 

マンチェスター・シティ6-2コペンハーゲン(シティGがベスト8進出)

2/13 1stレグ:コペンハーゲン1-3マンチェスター・シティ

王者シティに対し、コペンハーゲンは5・4・1でがっちりブロックをつくるも、前半11分にデブライネが先制。しかし、GKエデルソンのパスミスから同点に追いつきます。何とか1-1で前半を持ちこたえたかったですが、終了間際にシウバに決められ1-2で後半に。

後半もシティが圧倒し、ボール支配率も70%でしたが、何とかこらえるコペン。「1-2ならよし」がちらついたATに、ポケットをとられ、ハーランドに注意がいったところを、フォーデンに決められ、1-3に。2点差でのアウェー戦となりました。

 

3/6 2ndレグ:マンチェスター・シティ3-1コペンハーゲン

マンチェスターダービーから中2日のシティは、デブライネなどを温存し、20歳のノルウェー人ボブなどが先発。コペンハーゲンも3人の10代を先発させるなど、フレッシュな顔ぶれとなりました。

試合は、前半5分と9分にシティが得点。これで通算4点差となり、勝負あり。コペンも1点返すも、最後はハーランドが締めの一発。シティが悠々とベスト8進出を決めました。

インドネシア次期大統領、衰えぬ野心 挑戦3度で当選 プラボウォ氏

インドネシア大統領選でプラボウォ国防相の当選が決まりました。落選側の陣営が「国家の介入があった」として憲法裁に異議を申し立てていますが、結果は変わらなさそうで、10月からプラボウォ政権がスタートします。

世界4位の約2.7億人の人口を抱え、豊富な天然資源を生かし、年率5%前後の成長を続けてきた、ASEANのエース国。2045年にはGDPで世界5位以内となり、先進国入りを目指します。その頃には、日本のGDPも抜かれていることでしょう。

経済政策は、ニッケルなどの資源輸出を制限し、国内の製造業の誘致を目指します。そして、現ジョコ政権のレガシーでもある新首都「ヌサンタラ」への移転計画も推進。さらには、プラボウォ氏自身の肝いりの政策として、幼稚園から高校までのすべての学校給食の無料化を掲げているのがユニークです。インドネシアは平均年齢が29歳と若く、対象となる学生は8000万人規模になり、年間コスト4.3兆円は国家予算の10%強に当たるというのですから、気合が要ります。

プラボウォ氏は大統領選3度目の挑戦で悲願の大統領の座を射止めました。スハルト元大統領の娘婿であり、強権的な国軍幹部。1998年にスハルト政権が崩壊すると、自身が指揮した部隊が民主活動家の誘拐などに関与し、国軍を追放。その後はヨルダンなどで事実上の亡命生活を送っていました。長い間、アメリカへの入国も禁止されていました(2020年に解除)。

一方、今回の選挙ではSNSを駆使してダンス姿を披露するなど、「愛らしいおじいちゃん」として親しみやすさも演出して人気につなげ、さらには人気のあるジョコ大統領の長男のギブラン氏を副大統領に指名したことも大きかったです。ただこれも、ギブラン氏は規定の年齢に達していなかったにもかかわらず、憲法裁判所はギブラン氏が地方首長を経験していることを理由に、出馬を認める判断をしました。その憲法裁の長官がジョコ氏の義弟だったというのは何ともまずく、ジョコ一族の影響力が民主的ルールをゆがめたと批判されています。

3度目の正直を成し遂げたプラボウォ氏ですが、昔も今もけっこう危ない橋を渡ってここまで来ています。「2つのインド」と言われるくらい、世界的にも存在感を増しつつあるインドネシア。「アジアの貧しい国」ではもはやないという自覚をもって国家運営に当たってほしいです。

 

www.nikkei.com