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仮定法的な謝り方に百害あって一利なし 静岡・川勝知事

静岡県の川勝知事は1日の県庁入庁式での訓示で、「野菜を売ったり牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と発言。職業差別として県民らからの苦情が殺到しました。2日夕に発言に関する報道陣の取材に応じた際、「6月の議会をもって職を辞そうと思っている」と辞意を表明しました。

この2日夕方の記者団とのやりとりを見て気づいたことがあります。何か失言をした後に釈明をする際、よく耳にする言い回しが今回もありました。

「そのこと(=今回の職業差別発言)で何か不愉快な思いをされたということであれば、誠に申し訳なく思います。」

「もし~なら」という仮定法的な言い回し、「されたということであれば」です。何でこんな言い方をするんでしょうか。「不愉快な気持ちになった人がいない」と思っているのかもしれません。多分不愉快になった人なんていないと思うけど、もし万が一にもいるかもしれないから一応謝っておこうという感じでしょう。こう思っているなら分かります。

あとは、自分の非をまっすぐ認めたくないのかもしれません。この程度の発言で何を騒ぐの?という思いから、「不愉快な思いをさせて誠に申し訳ない」とは言えない。自身のプライドやこれまでの短くない知事キャリアが邪魔しているかもしません。

同じ辞めるのなら、気持ちよくではないですが、「つい口が滑った。ミスった。すみません」と潔く言えばいいのに、この仮定法的な謝り方は百害あって一利なしだと思います。自分も気をつけようと思います。

 

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