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空き家率最高13.8%、「放置」20年で1.8倍

総務省が昨日発表した2023年10月時点の住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.8%になりました。

この空き家率の高さの問題ですが、空き家率が高いことが問題なら、下げるのは簡単です。需要(借りたい人)と供給(新築住宅の数)の問題ですから、供給を絞って分母を小さくするのが手っ取り早いです。でも、建物やお部屋は老朽化していくし、そりゃみんな築浅のところに住みたい。住宅メーカーやマンションディベロッパーも建てたい。供給を絞ることは簡単ではありません。

前回18年調査から、わずか0.2ポイントの上昇ですから、空き家率の上昇も天井が見えてきたのかもしれません。

空き家率の高さよりも、問題は「放置空き家」の存在です。もう空き家の「率」ではなく、放置空き家の「数」を議論したほうがいいと思います。

長期にわたって不在で、使用目的がない放置空き家の割合は0.3ポイント上昇(36万個戸)の5.9%(385万戸)となり、2003年からの20年間で1.8倍に増えました。この中で、共同住宅は約84万戸で、直近5年間で8.6%増え、20年前と比べて1.6倍になっているそうです。戸建て住宅は、法律改正もあり解体できるようになりましたが、マンションの場合、居住者がいない、特定できないとなると、大規模修繕や解体、建て替えが非常に困難になります。

政府はマンションについても法改正をし、自治体が管理不全マンションの所有者に助言や指導、勧告ができる仕組みを作りましたが、所有者への財産権の配慮から勧告よりも重い措置は取りにくく、実効性に課題もあるようです。

 

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