日経朝刊に連載されている「テクノ新世」というコーナーの第2弾企画となるコラボ小説「サラと気難しい人間たち」が土曜日に掲載されました。
作者の津村記久子さん。1978年大阪府生まれ。2009年に「ポトスライムの舟」で芥川賞を受賞。今年の本屋大賞グランプリにノミネートされている「水車小屋のネネ」を先日読みましたが、18歳と10歳の姉妹が家を出るというお話で、600ページのボリュームを土日で読みました。10作読んだ中で、私は「水車小屋のネネ」が一番面白かったです。自分の評価と実際の結果が同じであってほしいとは思いませんが、おそらくネネがグランプリをとるのではと思っています。
そんな津村さんの6回連載の短編小説「サラと気難しい人間たち」。第1話は紙面で読めますが、第2話以降は電子版でしか読めないようです。主人公の女性・としみの仕事はオンラインで「上質な雑談」を提供するトークアテンダント。としみと暮らすAI搭載ロボットのサラは、アテンダントを肩代わりできるほど会話にたけていますが、なぜか客たちは生身の人間との雑談を求め続けます。
粘着質な顧客に対し、「交替しましょうか?」とささやくサラ。サラが会話の内容を肩代わりしてくれながら、としみの顔のフェイク動画が切れ目なく話していく。フェイク動画を見破るアプリを顧客に使われてフェイクだとばれたら訴えられる可能性もあるが、最近フェイク動画だと見破られるのを防止するアプリを購入したので、たぶん大丈夫。それで、この仕事で稼いだお金も消えたのだが。なんて、リアルすぎます。
2話以降ももちろん読んでみようと思います。