インドネシアの次期大統領に就くプラボウォ氏は、北京で習主席と会談しました。
2月の大統領選で勝利したプラボウォ氏が最初の外遊先に選んだのが中国。インドネシアの貿易総額に占める中国の割合は2023年に約30%と、10年前の18%から大幅に増加しました。インドネシアへの直接投資の国別ランキングもシンガポールに次いで2位。「中国詣で」をするのはある意味当然とも言えます。
習氏は会談で「中国とインドネシアはともに発展途上の大国だ」と述べ、経済や海洋の協力に意欲をみせました。中国とASEANの「運命共同体」を築くため、インドネシア側に団結を呼びかけました。
ASEAN各国の対中姿勢を3つに分類している表がとても分かりやすいです。まず「親中」グループは、カンボジア、ラオス、ミャンマー。新中の立場を鮮明にし、米国などとは一線を引きます。ほぼほぼ何があっても親中でしょう。
次が「米国と両にらみ」グループ。ブルネイ、シンガポール、ベトナム、マレーシア、タイ、そしてインドネシアもここです。中国との関係を重視する一方、南シナ海への進出拡大を警戒して、米国との安保協力も広げます。
そして「対立」のグループ。ここにフィリピンがASEANで唯一います。ドゥテルテ前大統領時代は「両にらみ」と「親中」の間くらいだったイメージで、現マルコス政権になってからもしばらくは変わらずでしたが、ここにきて米国と相互防衛条約を結ぶなど、「対立」に傾斜してきました。
来週岸田首相が渡米しますが、11日にはバイデン大統領、岸田首相、マルコス大統領は、ワシントンで初の3か国首脳会談を開きます。日米比3か国で南シナ海の安全保障を軸に歩調を合わせてきましたが、協力分野を経済安保にまで広げて厚みを持たせようとしています。
「米国と両にらみ」グループに今後変化はあるでしょうか。インドネシアの対中政策も注目です。