サムスンのニュースを久々に読みました。
日本のエレクトロニクス産業を駆逐したサムスン電子。力のあるトップの決断力とアグレッシブに働く社員と組織力で世界を代表する巨人になりましたが、そんなサムスンも大企業病に陥っているとのこと。
記事には、30代の研究開発職の社員がある改善アイディアに対して「前例なければGoが出せない」と上司に言われた話が載っています。サムスンの常務以上の役員任期は1年。短期間で結果を出さなければ再契約はなく、現場の技術者が腰を据えて研究開発に取り組む姿勢は必然的に薄れます。数年前はシャープやパナソニックなどに見切りをつける技術者が多かったですが、今ではサムスンに見切りをつけてSKハイニックスに転じる人が多いようです。
AIの浸透で需要急増中の「広帯域メモリー(HBM)」と呼ばれる次世代DRAMでは、米エヌビディアと協業するSKに先行を許し、スマホも長らく堅持してきた世界首位の座(出荷台ベース)を23年にアップルに明け渡しました。
中興の祖の先代会長が育てた事業の収益は細り、なかなか事業刷新は進みません。「いつか来た道」感が拭えない記事でした。