短い寄稿文ですが、今の中国・テック業界の様子が分かるいい記事でした。
中国は破竹の勢いだった経済が失速し、どうやらGDPでアメリカを超えそうにないと考えるエコノミストが増えているそうです。中国経済のけん引役になるはずのテック産業が、昔の日本のテック産業のように低迷期に入ったように見えるとシャン氏は言います。
AI分野では、米国企業に数世代遅れており、株式時価総額や売上高で比較しても一目瞭然。バイドゥの時価総額は337億ドル、2023年10~12月期のAI関連売上高は9100万ドル、それに対し米オープンAIの時価総額は811億ドルを超え、23年の売上高は20億ドル超と大きな開きがあります。この差は、巨額な費用がかかる最先端の大規模言語モデル(LLM)の学習には致命的です。ユニコーンの数もアメリカに逆転され、中国は4分の1に。スタートアップ投資額も23年はアメリカの4分の1だったそうです。
これだけ差が開いた原因は、アメリカの制裁ではなく、中国の習指導部によるテック業界への締め付けだと言います。起業家は規制当局の怒りを買わないかどうかばかりを気にしている。そんな環境で持続可能な技術革新は望めません。
自由で開かれた市場と自由闊達な起業家精神のみが長期的に技術革新を生むことは、歴史が繰り返し教えていると記事は締めくくられています。