時事マラソン

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トヨタ時価総額、日本企業初の50兆円 28年で5倍に

トヨタ自動車の株式時価総額が日本企業で初めて50兆円を超えました。先々週、NTT株がバブル期につけた記録を上回り、日本企業歴代最高値を更新したことは、この時事マラソンでも触れましたが、昨日前日比+5%の3148円をつけ、終値は3135円に。時価総額51兆1474億円になり、節目の50兆円をサクッと超えました。

豊田自動織機や完全子会社のダイハツ工業といったグループ企業の不正拡大が発覚し、しばらく足踏みするかなと思っていましたが、昨日2024年3月期の業績見通しを上方修正し、株価を押し上げました。連結純利益が前期比84%増の4.5兆円。トヨタの純利益の4兆円突破は初めてとなり、2年ぶりに最高益を更新。20年のソフトバンクの3兆551億円も更新し、日本企業で最高になりました。売上高見通しは17%増の43.5兆円、営業利益は80%増の4.9兆円。これらの好決算が、時価総額50兆円突破に繋がりました。

トヨタ時価総額は、ようやく世界27位。世界の自動車メーカーの時価総額で比べると、テスラの85兆円には及びませんが、22年に最大で約4倍となった差がかなり縮まりました。世界販売で2位の独フォルクスワーゲンには5倍の差をつけ、時価総額ではテスラとの2強の状態です。

トヨタのPBRは1.3倍台、予想PERは10倍台と、指標面に大きな割高感はありません。今後のEV戦略の鈍化や、グループ会社の不正による生産計画の下振れがトヨタ株のリスクとなりますが、TSMCの熊本第2工場にも出資するなど、着実に手を打っているトヨタ。まだしばらくは伸長していきそうな勢いです。

 

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