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柔道、異例の早期内定 金ラッシュ東京踏襲も懸念の声

2021年東京五輪で過去最多9個の金メダルを獲得した柔道。まだ今年は、パリ五輪前年ですが、すでに男女計14階級の内、半分以上の10階級で代表が決まっています。

全柔連は五輪までの準備期間の確保を優先すべく、代表争いで「2番手以下と明らかな差がある」と判断した選手には早期に内定を出す方針を公表しています。早期に内定が出れば、手の内を知られた日本選手との戦いで心身をすり減らすことなく、海外勢の対策や世界ランキングポイントの獲得に集中できます。特に、選手からは「準備期間が長いほど絶対にパフォーマンスは上がる(阿部一二三選手)」と好評です。前回の東京五輪での成功体験もあります。

しかし、早期内定には賛成意見ばかりではないようです。ひとつは「2番手以下との明らかな差」について。8月に男子2選手の代表内定を決めましたが、複数の委員から「今決めるほど2番手とさがあるのか?」と異論があがったそうです。実際その2選手は今年の世界選手権では、3位と7位でした。国内では確固たる立場でも、世界では勝てていません。

さらには、今の早期選考では、急成長してきた若手や勢いのある選手を抜擢することはできません。安定をとるか勢いをとるか、どっちも取りたいところですが、なかなか難しいところです。異例の早期内定が正解だったかは、パリ五輪で結果が出ます。

 

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