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トヨタ株の粘り腰「円安・株高」へ再転換か

昨日のトヨタの決算発表で、株価が興味深い動きを見せました。

2024年3月期の連結決算は、前期比96%増の5兆3529億円と過去最高を更新、日本企業で初めて5兆円を超えました。しかし、今期2025年3月期は一転、20%減の4兆3000億円の見込みと公表しました。決算発表直後は4%安まで売られましたが、その後は急激に切り返し、昨日の終値では0.56%安と、1.63%下げた日経平均よりもましな結果でした。

業績への期待が崩れておらず、1兆円の自社株買いもサプライズとして好感されたようです。さらには、為替の前提が保守的なのも安心して買える要因のひとつのようです。

トヨタはこれまでも期初の業績見通しを公表する際は、想定為替レートを実勢よりも円高に設定することが多く、前期も最初は125円で設定、8750億円の減益要因と見込んでいました。最終的には145円となり、6850億円の増益要因となりました。トヨタは1円の円安が営業利益を500億円程度押し上げる計算で、足元の155円程度の水準が続けば、約5000億円の増益要因になります。

円安には負の側面もあるものの、10%程度の円安で日本企業の海外現地法人の収益が3.5兆円拡大するという試算もあり、トヨタのみに限らず上場企業全体でも円安による増益期待は大きいようです。

円安からの株高に期待が膨らみます。

 

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