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WBC「小よく大」から進化 日本、力勝負制し戴冠

野球のWBCで日本が3大会ぶり3度目の優勝を果たしました。今大会での日本の前評判は高かったものの、個人的には優勝は厳しいと思っていました。アメリカを始め、北中米のチームにこれまで以上にメジャーで実績を残した選手が多く、日本ラウンドは問題ないものの、準決勝からのアメリカラウンドではかなり苦しいんじゃないかと。

どうしてもサッカーW杯と比較してしまいますが、サッカーもW杯で優勝するには、サッカーの本場である欧州のトップチームで活躍する選手がわんさか現れないと厳しい。

昨年のW杯ではドイツとスペインを破る大健闘を見せたものの、大会自体はベスト16止まり。世界のトップとの差を感じさせられました。野球もメジャー選手は、実際のところは大谷選手と、ダルビッシュ選手、ヌートバー選手の3人だけ。大活躍だった吉田選手もメジャーでのプレーは今シーズンからです。サッカーと同じく、野球も5人、10人とメジャー選手が現れないと世界一奪還は厳しいと思っていましたが、見事はねのけました。

まず今大会で分かったことは「日本の投手は世界レベル」ということです。オールスター級のアメリカをわずか2失点に抑えるとは恐れ入りました。別にメジャーでプレーしていなくても世界レベル。その選手がメジャーにいくと活躍できる確率がかなり高い。大谷選手のように若くしてメジャーにいければ、さらに高くなります。

日本の投手については、戦前から評価は高かったですが、予想を大きく上回ったのが「打つ方」です。メジャーの力のあるボール、動くボールに相当苦しむと思っていました。小技を使った「スモールベースボール」に徹さないと勝てないとも思っていましたが、大谷選手だけでなく、吉田選手、村上選手、岡本選手など日本の長打力も存分に発揮してくれました。今大会で、投手はメジャーのトップ打者もしっかり抑えれることが分かり、打者もメジャーの投手に十分通用しました。メジャー経験の少ない投手なら、かなりの確率で打ち崩せます。ただ、メジャーのトップ投手は今大会にあまり来ていなかったので、そこはこれからのお楽しみにということになります。

世界との距離感がよく分かったWBCでした。

 

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