時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

ダルビッシュの立ち振る舞いが素晴らしい

今日から宮崎でWBCに向けた侍ジャパンの合宿が始まります。WBC関連のニュースがこれからも増えてくると思いますが、パドレスダルビッシュ有投手の立ち振る舞いが素晴らしいなと感心しています。

ダルビッシュ投手はいち早く宮崎入りして、すでに他の選手と調整に入っています。メジャーの選手は所属チームの意向もあり、代表チームへの合流はまだまだ先になりますが、ダルビッシュはベテランで実績もあることから、早めの合流を許されたようです。早めに合流を許されたということは、うがった見方をすれば所属チームの戦力としてあまり期待されていないとも言えますが、そんな選手と42歳までの6年間で約140億円の大型契約を結ぶはずがありません(笑)よっぽどチームから信頼されているんだなと感じます。

ダルビッシュは様々なコメントを残していますが、それがいちいち素晴らしいなと感じます。まずは、大ベテランの自分がWBCへの参加を表明し先陣を切り、「ダルビッシュさんが出るなら俺も」という空気をつくりました。「自分はベテランだからOKもらえた」と謙虚に語っていますが、早めの代表チームへの合流(所属チームからの離脱)も行いました。

あとは、代表の後輩たちに向け「少し気負いすぎというか、戦争に行くわけではない。気負う必要はないと伝えたい」という言葉もしびれました。WBCは、東京五輪なんかとは比較にならないくらい、相手も強いし、プレッシャーもかかります。気負う気持ちも、WBC経験者であるダルビッシュは分かるのでしょう。早めにこのメッセージを送ったのは、選手向けだけでなく、マスコミや世論に向けてのプラスの効果も大きかったと思います。

最後に、昨日のコメントですが、ジャイアンツの戸郷選手とのやり取りの中で「アドバイスというと、それは上からになってしまう。意見交換しながら、優勝目指すだけじゃなく、レベルアップできれば」なんてコメントも秀逸です。上から目線でなく、一緒にレベルアップをすると。「引っ張っていこうという気は全くなくて、やっぱりチームなので、年齢も気にしない。みんなで仲良く、お互いを引っ張っていったらいいのかなと。」という思いは、若い選手も多いチームに好循環をもたらすと思います。

優勝した第1・2回大会のリーダーはまぎれもなくイチロー選手でした。そのイチローを見ながら、第2回の優勝にも大きく貢献したダルビッシュの存在はとてつもなく大きいです。イチローとはまた違うタイプのリーダーが、今回の侍ジャパンを引っ張っています。

 

www.nikkei.com