時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

東南アジアで後手の日本EV 潮流に変化、悲観は早計

週明けの月曜日は毎週ニュースを選ぶのに少々苦労しますが、今日はいい記事を見つけました。

人口6.7億人超の東南アジアで日本車のシェアは8割を誇りますが、勃興するEVで中国や韓国メーカーに押されまくりで、たとえばタイではかつて9割を超えた日本車のシェアが8割を切ったといわれ、「日本勢大丈夫か?」と思ってしまいます。政府側もEV車の導入を急ぎたい事情があります。ジャカルタバンコクでは大気汚染がひどく、走行中に排ガスが出ないEV車は魅力、新産業創出の要請も大きいです。そこに「EVの一本足打法」で日本車寡占の風穴を開けようと中韓の自動車メーカーは頑張っています。

中韓の攻勢と日本車との差は歴然ですが、ガソリン車という既存事業の勝者が新事業で後れを取る「イノベーションのジレンマ」に日本車が陥ってしまっていると考えるのは早計だとこの記事にはあります。

理由の1つ目は、今のEVブームは「上げ底」だということ。高額の購入補助金がいつまでも続くわけではなく、全体の3~4割を占める電池のコストは高止まりしているので、販売価格は下がりにくい。補助金という「つっかえ棒」が外れると販売も厳しくなります。

2つ目は「世界の潮流の変化」です。EVの先導役だったEUは、35年以降のエンジン車販売禁止を撤回し、合成燃料を容認する方向に転換しました。EUをお手本にしてきた東南アジアも追随するかもしれません。そうなると、EV化には遅れずついていきながら、得意のハイブリッド技術も投入していく。中韓はEV単騎勝負ですが、両面作戦に挑む権利を有するのは日本車だけだと記事にはあり、勇気づけられます。ブランド力や販売・サービス力なども長年の経験が日本にはあります。

中韓の勢いは侮れず油断は禁物ですが、悲観は早計です。

 

www.nikkei.com