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九州、半導体供給網着々と 米欄大手も拠点拡充

九州、特に熊本県が日本の半導体産業の一大集積地になってきました。

その中核をなすのは、受託生産の世界最大手、台湾TSMCです。熊本県菊陽町の小高い丘にある城塞のような巨大な建造物。およそ1兆円を投じて建設を進めてきた新工場も完成真近。稼働目標は24年末予定ですが、熊本空港には今年8月以降、台湾からの駐在員とその家族が次々と降り立ち、10月からは様々な装置の搬入スケジュールが綿密に組まれているなど着々と進んでいるようです。

そのTSMCが磁力となって様々な企業も進出や拡張を進めます。世界シェア2位の半導体基板の研磨工程装置をつくる荏原。半導体装置国内最大手の東京エレクトロン半導体ウェハーをチップに切り分ける切断装置などで世界トップシェアのディスコなど、枚挙にいとまがありません。

国内勢だけではありません。露光装置メーカー世界最大手のオランダASMLは手狭になった拠点を拡張。半導体装置で世界3位の米ラムリサーチも従来より広い熊本サービスセンターを立ち上げました。

1990年ごろは「産業のコメ」と呼ばれた半導体で、日本のシェアは約5割を占めていましたが、その後の国際的な設備投資競争に乗り遅れ、現在は1割程度まで落ち込んでいます。九州も1980年代にはシリコンアイランドと呼ばれ、その後はカーアイランドになりましたが、シリコンアイランド復活なるかに注目です。

年明けに熊本に行く予定があるので、ちょっと車で走ってみたいと思っています。

 

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