時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

注文の多い料理店、いつまで?欧州は中国に飲まれるか

ちょっと長めの記事ですが、なかなか面白かったです。

宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」。狩りに出て道に迷って腹ペコな2人の若者が入った西洋料理店が「山猫軒」。注文が多い料理店とのことで、店の注文に従い、服を脱いで肌にクリームや塩を塗っていくと、どうぞお腹にと言われ、料理を食べるつもりが、反対に自分たちが食べられるというお話です。

中国とEUのEV車について、このお話をふと思い出すと記事にはあります。フォンデアライエン欧州委員長が先日、中国製のEVについて調査に乗り出すと表明しました。中国製EVが政府の補助金を受け、不当に安い価格でEU内で販売されていたと判明すれば、中国者に相殺関税を課すと。中国こそ有望な市場とみて積極的に現地進出し、注文の多い中国当局の指示に従ってきたのが、ドイツを筆頭とした欧州諸国です。

ドイツのベーアボック外相は「過去10年間の中国の行動」への対処を語り、ショルツ首相も「将来への重大な依存関係の回避」を掲げ、メルケル時代の負の遺産清算を迫られていますが、中国とドイツの関係は断ち切れないほど深まっており、時すでに遅しです。中国は2023年に自動車輸出台数で世界トップに躍り出、9月のミュンヘン国際自動車ショーではBYDなど中国車メーカーがひときわ目立ちました。

数多くの自動車メーカーを抱える日本。中国BYDは9/20に小型EV「ドルフィン」を日本で発売しました。EV購入には政府から65万円、都在住者は都から45万円の補助金が出るため、実質200万円台半ばで売り出されます。アメリカはこういった補助金は自国メーカーのEVのみですし、EUも相殺関税を視野に入れています。対する日本は制限なし。王者の余裕か、それとも「ぼ、ぼ、ぼくらが(食べられる…)」となるか。

 

www.nikkei.com