G7の2022年の家庭向け電気料金を比べたところ、天然ガス輸入国のイタリアや英国は日本より負担が1.4倍ほど重く、消費者物価が高止まりしていることが分かりました。
まずイタリアですが、21年比で+40%上昇の13083円。原子力発電がなく、電源構成の5割弱が天然ガスによる火力発電。資源高の影響をモロに受けました。
続いて英国は、同49%上昇の12,942円。電源の4割が天然ガスで、イタリアに次ぐ高さ。3位のドイツは11,921円。脱原発政策から2023年4月に国内の原発稼働を終了したため、2023年はイタリアや英国を上回る可能性があります。
そして4位の日本は8,993円。21年比+31%。LNGの長期契約のおかげで欧州より値上げを抑えられている側面があります。
5位のフランス(7,425円)は、7割近くが原子力を占める「原発大国」。6位のアメリカ(5,168円)は、4割を天然ガスが占めるものの、自国製のシェールガスがあるため国際価格の上昇影響を受けにくい。G7最安料金はカナダで、日本の半分以下の4,269円。コストの低い水力発電が6割を占め、コスト競争力では他国を圧倒しています。
電気料金の上昇は、企業活動だけでなく、消費者の財布のひもにも影響します。日本も電気代への政府補助が秋から減ります。消費者心理の冷え込みが懸念されます。