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世界景気、中国変調が影 若年失業率公表せず

中国経済の変調が影を落としています。多額の債務を抱える不動産関連企業の経営問題は不透明感を増し、内需不振とデフレは「日本病」とも言われています。

昨日公表の経済指標は弱さが目立つ内容でしたが、特に目を引いたのが、若年失業率など年齢層で分けた失業率の公表を一時停止すると発表したことです。ゼロコロナ政策後も低迷する中国の経済活動の象徴として関心を集めていた統計で、6月の16〜24歳の失業率は21.3%と、3カ月連続で最高を更新。中国で大卒生の就職難は大変深刻です。15日の記者会見で担当者は「就活中の学生を(失業者として)含めるべきか、さらなる検討が必要だ」と理由を述べたとのことですが、今以上に悪い数字は悪影響を及ぼすので出すのを控えたのかもしれません。

北京大のある副教授は「学校におらず自宅などで暮らして職探しもしていない若者」らを含めた潜在的な若年失業率は46.5%と試算します。さすがにこれに近い数字を出すと、景気への懸念をさらに強めることになります。

一昨年あたりから、中国の若者の「寝そべり族」の存在が話題になりました。仕事にありつけず、ゴロゴロしながら過ごす若者のことを指しますが、ひとつのライフスタイルになっているようです。具体的には、「家を買わない、車を買わない、恋愛しない、結婚しない、子供を作らない、消費は低水準」を信条とする、考え方によっては社会抗議運動とも言えます。こういった若者が社会に急増しているようです。

先進国は、歴史的なインフレが峠を越しつつあり、景気低迷が底を打ちつつあります。中国経済のマイナスは世界の景気にも直結します。今年の後半にかけて、ちょっと目が離せなくなってきました。

 

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