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NTT株25分割、売買高1位に 個人の商い膨らむ

株式市場でNTT株が話題になっています。

6/30を基準日に1株が25分割され、最低40万円超必要だったのが2万円弱で買えるようになり、個人投資家を中心に売買が膨らみました。昨日29日は分割後の取引の初日にあたり、売買高はプライム市場で2.6億株とトップに。売買代金は453億円とプライムで13位。単価が安いのに13位とは立派なもんです。過去5年の1日当たりの平均が約180億円なので、倍以上の商いでした。個人投資家の売買も活発でSBI証券の売買高ランキングを見ると、NTTは買いが1位、売りが2位につけました。

「アマゾンやグーグルのように若者に当社の株を買ってもらいたい」という島田社長の狙いはとてもいいと思います。2024年から新型小額投資非課税制度(NISA)が始まるのを受け、単価を低くし資産形成にこれから着手する若者らが買いやすくし、長期保有の個人株主を増やすのが狙いです。

NTTの上場は1987年2月で、初値は160万円。分割後の現在の株価に直すと156円、NTTの上場は当時「財テクブーム」という社会現象を引き起こし、株価は急騰。分割後換算で311円台と、今より8割も高い水準まで上昇しました。長年塩漬けにしている高齢株主も多いようで、個人株主の実に8割が60歳代以上とのことです。まだまだ含み損は大きいでしょうから、彼ら彼女らは売らずに、新規の株主が増えたら安定株主はさらに増えていきそうです。

22年10月に株式を10分割した任天堂は、23年3月末までに総株主数が約4倍に増加したそうです。「PBR改善」がひとつのトレンドになっている日本の株式市場ですが、最低投資額の引き下げ(株式分割)も今回のNTTを機に少しずつ増えてくるかもしれません。

 

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