ニトリホールディングスが2023年3月期の決算を発表し、連結純利益が951億円と、前の期との単純比較で減益となりました。単独決算を含めると最終減益は24年ぶり。23年3月期から決算期を2月から3月に変更し、その前の期は13か月11日の変則決算だったため、比較が難しいですが、消費銘柄の勝ち組企業と言われるニトリとしては少々残念な結果に終わりました。
減益の原因は「値上げによる客離れ」をあげています。原材料費の高騰などを受け、22年秋から一部商品を対象に計5回の値上げに踏み切りました。上げ幅は平均7%程度。1万円の商品なら700円、10万円の商品なら7000円の値上げ幅です。この値上げで23年3月期の既存店売上高は前の期比1.2%増となり、客単価は7.2%増えましたが、客数は5.6%減となり、「値上げによる客離れ」が減益につながったとの分析です。
客数減を受け、4月下旬からは一部の商品で値下げを始め、テレビCMやSNS上の広告も増やし、出店も拡大する一方、米国からの撤退を決めるなど、挽回に向けて手を打ってきています。
3月に次女が一人暮らしを始めるにあたって、家電などを揃えましたが、何の迷いもなくニトリに行きましたが、元々が安いので値上げの実感はありませんでした。高いと感じたからと言って、価格だけではなく、デザインや品質、品ぞろえも含めて、ニトリに代わるお店が他にあるかと言われても出てきません。それでも、約6%の客数減という数字は、思ったよりも大きな減少幅なので、この原因が本当に値上げが原因なのか、はたまた他に原因があるのか、考えたいところではあります。
いずれにしろ、期間の長い変則決算との比較での減益だったわけですから、同じ12か月での比較になる今期の業績に注目が集まります。24年3月期の純利益の見込みは、5%増のちょうど1000億円を見込んでいます。