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アイリス、初の減収 大山会長の誤算と希望

家電や生活雑貨のアイリスオーヤマを核とするアイリスグループが、2022年12月期に初めて減収となりました。2021年秋に社内では、グループ売上1兆円が見えていました。21年12月期は8100億円まで成長も、22年12月期は7900億円と失速。連続増収が32期で止まりました。

減収の原因、ひとつめは「急激な円安」。同社製品は中国製が多いですが、円安に加え原料高や物流費の上昇が重なり、主力製品を平均10%値上げしたところ、値ごろ感が薄まり販売数量ベースで前期比20%も落ち込みました。他にも、ウクライナ紛争のあおりを受け、欧州での販売も苦戦。ここまで伸ばしてきた、32期連続がすごいですが、外的要因であれ増収ストップは悔しかったことでしょう。

ところが今春に入り、希望も見えてきたようです。物価高の影響から節約志向の追い風が吹いているとのこと。値上げを進める大手家電メーカーよりも割安感が出て、白物家電などは前年比2倍のペースで売れています。水やコメなど意外な事業も業績回復を後押ししており、へこたれている様子は全く見られず、さすがとしていいようがありません。

 

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