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岸田首相の「初心」と決断の行方

記事の見出しこそ「岸田首相の決断の行方」とありますが、岸田首相のことではなく、記事の前半にある立憲民主党最高顧問の野田元首相と安倍元首相のやりとりのことを興味深く読みました。


国会の論戦で激しく火花を散らし、民主党から自民党への政権交代の局面で主役を担った2人が、国葬という場で静かな「再会」を果たしました。野田さんは、「責任を伴う政治判断の連続は重圧だ。日本一のハードワークを誰よりも長く続けた安倍氏に前任の首相経験者として敬意を表したい」という思いから、国葬を批判して欠席した同党幹部らと一線を画しての参列でした。


2人の対決の舞台はもう10年前になります。2012年11/14の党首討論民主党政権の首相だった野田氏は野党自民党の安倍総裁に議員定数削減の確約を条件に「16日に衆院を解散してもいい」と言い切りました。首相が公開の場で解散を宣言するという前代未聞の展開に安倍氏は一瞬虚を突かれ、「約束ですね。約束ですね。よろしいんですね」と早口でまくしたてたシーンは、気迫に満ちた真剣勝負そのものでした。


民主党政権3人目の首相を務めた野田氏は、TPP交渉への参加や沖縄県尖閣諸島の国有化など、厳しい政治決断を次々に下しました。短い期間に政策を次々実行したのは菅前首相も同じですが、野田氏の場合は外交絡みのヘビー級なものが多かったです。


なかでも社会保障の財源として消費税を2段階で増税する「社会保障と税の一体改革」は党内の猛反発に遭いました。自民、公明両党との3党合意で成立にこぎつけるが、民主党は分裂。自公と「近いうちに」解散すると約束した帳尻を合わせるべく飛び出したのが異例の発言だった。民主党が崩壊したのは野田氏のせいだという人もいますが、どの決断も日本にとって大事なことばかりで、文字通り身を削って、敗軍の将を引き受けました。


先日の安倍元首相の国葬。盟友の菅さんの挨拶もよかったですが、やっぱり個人的には野田さんにやってほしかったです。

 

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