時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

安倍派の処遇、動揺広がる 政治不信強く幕引けず

自民党総裁選で安倍派や二階派議員の処遇などが焦点の一つとなっています。

口火を切ったのは石破元幹事長で、政治収支報告書の不記載があった議員を選挙で公認することの是非について徹底的に議論すべきだと述べました。世論調査の支持率ではトップ常連、地方からの信頼も厚い石破氏ですが、国会議員票では広がりを欠くからか、翌日に「新体制で決めることだ」とややトーンを落としましたが、自らが総裁になったら不記載議員は「非公認」としそう。野田元総務相も「不記載した人は自分の力で勝っていきませんか?」と石破氏と似たスタンスです。

さらに河野デジタル相は、不記載議員はけじめとして返納を求める考えを明らかにし、党内に波紋を広げています。河野氏麻生派に足場を置き、一定の議員票が見込める強みを生かしての強気発言なのかもしれません。

一方、議員票を頼みとする茂木幹事長は、返納には慎重な立場を示し、安倍派の一部が支援に回る小林鷹之前経済安保相もあまり積極的ではありません。

そもそも、政治とカネの問題で自民党の信頼度が凋落し、岸田首相はトップとして責任をとって退任を決めました。有権者の大半は、全くもって不十分と思っていて不信は根強いわけです。派閥の政治資金問題に蓋をすれば国会議員は喜び、総裁選での票獲得にはつながるでしょうが、その後に控える衆院選などの国政でどのような審判を有権者が下すか、よくよく考えた方がいいと思います。

 

www.nikkei.com