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派閥解消、政策集団に移行 自民党政治刷新本部

自民党は22日の政治刷新本部で派閥解消を巡る詰めの議論に入りました。

執行部が示した改革案の骨子は「派閥解消」といった文言は残しつつ、人事とカネを切り離した「政策集団」に移行すると打ち出しましたが、出席者からは骨抜きを懸念する意見が噴出しました。派閥解消とは名ばかりで、麻生副総裁が率いる麻生派などに配慮して、政策集団としての派閥存続は事実上認めたからです。

出席者によると派閥解消論は半数を占めているようです。自民党の第1・4・5派閥(安倍派、岸田派、二階派)は解散する方針を決定していますが、残りの2・3(麻生派、茂木派)がどうなるのか。引き続き派閥という形で残り続けるのか、はたまた居心地が悪くなって、オセロのように解消となるのか、派閥内にも解散論はあるようですから、この先どうなるか分かりません。

一方、人事とカネからの切り離しは、プラスの効果が期待できます。閣僚人事などでの推薦名簿作成といった働きかけが本当に禁止になれば、年功序列の硬直的な要職器用ではなく、若手議員や女性議員の登用も増えるかもしれません。派閥がなくなれば政治資金パーティは事実上できなくなります。

ただ、自民党は35年前のリクルート事件の後に、自民党自身がまとめた政治改革大綱に「派閥解消」をうたったにもかかわらず、忘れたふりをして今があるという「前科」があります。ピンチをチャンスに生かして、きちっと実行すれば支持率浮上のきっかけにはなると思います。結局のところ、やるもやらんも自民党次第です。

 

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