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ラストベルト4州が大統領選のカギを握る

11月の米大統領選は民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領が党候補者指名を獲得することが確定しました。これにより、3度目の対決が実現します。これから残り8か月、まさにガチンコ勝負が始まります。

ニュースなどを見ていると、トランプ氏の情報が多いので、「もしトラ」ならまだしも「ほぼトラ」という論調も目立ってきましたが、今日の日経の経済教室で前嶋上智大教授は「ほぼトラは時期尚早、ありえない」とはっきり書いており、まだまだ予断は許しません。現職のバイデン大統領がこれから攻勢に出るのは間違いありません。

今後を占うポイントとして見ておかないといけないのが、中西部・東部の4州、東からペンシルベニア州オハイオ州ミシガン州ウィスコンシン州です。同地域の労働組合員票215万が大統領選の勝敗を決定づけると記事にはあります。

先日も取り上げたUSスチールの買収問題。ペンシルバニア州の全米鉄鋼労働組合(USW)は買収に反対しているため、バイデン大統領も「USスチールアメリカで所有されるべき」と声明を出しています。さらには、急激なEVシフトに反発するミシガン州本拠の全米自動車労組UAW)に配慮する政策の検討に入るなど、あらゆる政策判断が選挙と結びついていきます。

ラストベルト(さびた工業地帯)4州と過去の大統領選の勝敗ですが、2016年は4州とも共和党が制し、トランプ大統領誕生を後押し。2020年は逆に、オハイオ以外の3つを民主党が取返し、バイデン大統領が勝利。過去の大統領選のたびに勝利政党が入れ替わる「スィングステート(揺れる州)」に、両候補とも否が応でも力が入ります。

 

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