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トランプ氏、無党派も取り込む 米共和党予備選初戦勝利

11月のアメリカ大統領選の候補者選びとなる予備選が始まりました。野党・共和党が実施した初戦となるアイオワ州党員集会は、戦前の予想通りトランプ大統領が圧勝しました。

事前の世論調査などでもトランプ氏のリードが伝えられていましたが、あくまで予想で実際のところはふたを開けてみないと分からないと思っていましたが、アイオワ州という限られた地域での民意ですが、トランプさんの得票率51%はなかなか衝撃的でした。引用記事に菅野論説委員が「1回表に大量得点」とコメントされている通りの結果となりました。

トランプ氏には強い支持基盤「岩盤層」があります。4件・計91の罪状で起訴され、立候補資格を否定する訴訟も多いにも関わらず、「トランプ氏が普通じゃないのはみんな分かっている。いまさら驚かない」と言い切り、醜聞に動じない信奉者です。しかし、今回明らかになったのは、本来トランプ氏以外が取らないといけない「無党派層」からも一定の支持があるということです。

「白人男性・非大卒」がメインの支持基盤ですが、アイオワ州での「入口調査」によると、無党派層からの支持を最も得たのがトランプ氏の42%で、ヘイリー氏は34%にとどまりました。女性の支持53%にもびっくり。大卒の支持は37%ですが、それでもヘイリー氏やデサンティス氏を上回っています。これが共和党支持者の現実です。

全米各州での党員集会・予備選の先頭を切るアイオワ州の結果は、最近で見ると必ずしも先行指標にはなっていません。現職以外では、アイオワを制して共和党の候補になったのは2000年のブッシュ氏まで遡らないといけません。

次戦の1/23のニューハンプシャー州での予備選は、無党派層有権者が全米で最も多い地域と言われています。ここでもトランプ氏が50%以上の支持を集めたなら、3月のスーパーチューズデーを待たずに、デサンティス氏、ヘイリー氏のどちらかが撤退表明するかもしれません。

 

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