時事マラソン

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東京マラソン、西山9位 パリ切符逃す

パリ五輪マラソン男子代表の残り1枠を争う東京マラソンが昨日行われ、2022年世界選手権代表の西山雄介が日本勢最上位の9位に入りましたが、記録は2時間6分31秒と、日本陸連の設定タイム2時間5分50秒を突破できず、代表入りを逃しました。これにより、昨秋のMGCで3位だった大迫傑の2大会連続での代表入りが決まりました。

中盤で転倒してしまったにも拘らず、33キロ付近で日本勢トップに立つなどガッツを見せましたが、35キロからのラスト5キロが15分31秒と失速してしまい、設定タイムに41秒及びませんでした。一山麻緒との夫婦での五輪出場を目指した、現日本記録保持者の鈴木健吾も28位に。2時間4分台の記録を持ちながら、大一番で結果が出ない厳しい世界です。

それにしても、今日触れたいのが「世界のトップとの力の差」です。分かってはいたことですが、残酷なくらい強烈です。ペースメーカーすら予定より早く脱落するハイペース。海外のトップ選手は号砲直後から全くペースが違いました。優勝は、ケニアのキプルト選手で世界歴代5位となる2時間2分16秒。日本勢トップの西山選手より4分以上早くゴールしました。女子も、日本勢トップは新谷仁美選手の2時間21分50秒に対し、優勝はエチオピアのケぺデ選手で2時間15分55秒。こちらは、6分の差がつきました。

日本選手の記録は伸びており、先日女子でも日本記録が塗り替えられました。しかし、世界の伸びはさらに大きく、女子の世界最高記録は2時間11分53秒、男子は2時間0分35秒。女子は2時間10分、男子は2時間ちょうどの壁が見えてきています。

オリンピックは、各国にそれぞれ出場枠がありますが、国籍関係なく世界のトップ80人が出場、となったら、残念ながら日本人選手は男女とも選ばれないでしょう。東京五輪では大迫選手が6位入賞と大健闘の走りを見せましたが、決して「世界6位」ではない。かといって、選手の頑張りに水を差すつもりは毛頭ありません。でも、これが現実でもあり、ちょっと複雑な気持ちになります。

 

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