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鷲津政彦がいたら今の日本に投資するか?

真山仁さんが日経紙面に登場してくれるなんて、さすがうるう年の2/29です(全然関係ない)。

真山さんは、読売新聞社での新聞記者をを経て、経済小説を主戦場に小説家デビュー。2004年に激しい企業買収の世界を赤裸々に描いた「ハゲタカ」が大きな話題を呼びました。私は、NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」にどっぷりハマり、大森南朋さん扮する、外資ファンドマネージャーの鷲津政彦の大ファンになってしまいました。その後原作となった小説も読みましたが、何年たっても面白いものはおもしろい。読むたびに新しい発見がある。今でも3年に1回くらいは読み直します。

鷲津政彦は「腐ったこの国(日本やアメリカなど、時と場合による)を買いたたく」と豪語し、バブル崩壊後のどん底にあった日本に乗り込みました。そんな死骸に群がるのが「ハゲタカ」ですね。今、鷲津がいたら日本に投資すると思うか?

真山さんは「鷲津だったら今の日本には投資しないと思う」と言います。鷲津というキャラクターは、社会に価値を提供できるような輝きを残している企業は自分で買って生まれ変わらせるけど、経済の血液であるお金をきちんと社会に回さないような企業は潰れてくれてかまわないという考え。株価が上がるから企業を買うというようなマネーゲームはしません。何なら、今の日本中に冷や水をぶっかけたいと思っているのではないかと言います。

今の株高にも不可解としか思えないと真山さんは言います。本来、株価はその企業に対する期待値を示すもので、株を買うという行為はその企業を頑張れと応援することだと。もちろん日本企業の中には頑張っているところもたくさんありますが、全体として見たときに今の日本企業の期待値はそこまで高いでしょうか。そう考えると今の株高は日本企業の実力とは言えないと思いますと、鷲津も代わりに冷や水をかけてくれました。

真山さん、そろそろ鷲津政彦を復活させてもらえませんでしょうか?今の日本に、世界に、どう対峙するのか、とても興味があります。痛快な小説を期待しております!

 

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