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サッカー元日本代表、岡崎引退 W杯3大会出場

中村俊輔小野伸二遠藤保仁など2010年代にサッカー日本代表を支えた名選手が次々と引退しましたが、岡崎慎司も今季限りでの現役引退を発表しました。

岡崎選手は、兵庫県宝塚市出身。宝塚市の広報誌でちょくちょく見ますし、W杯に出場した時はいつも市役所に弾幕が掲げられていました。

兵庫県滝川二高から清水エスパルスに2005年に入団。2011年からは欧州に活躍の場を移し、ドイツのシュツットガルトマインツとステップアップし、欧州最高峰のイングランド・プレミアリーグでは「ミラクル・レスター」の一員としてリーグ優勝に大きく貢献しました。日本代表でも活躍し、歴代3位の通算50ゴールを記録。3大会連続W杯でピッチに立ち、一時代を築きました。

岡崎選手で印象深いのは、自身初のW杯出場となった2010年南アフリカ大会です。南アフリカ大会前は絶不調で、直前の練習試合で全くいいところなく3連敗。このまま本番はまず過ぎるということで、当時の岡田監督がカンフル剤を打ちます。チームの中心だった中村俊輔を外し、本田圭佑を中心に据え、主将を中澤佑二から長谷部誠に代え、さらには正GKを楢崎正剛から川島永嗣に挿げ替える、今から考えるとものすごいことを岡田さんはやったなと感心します。

その中で、もうひとつあった交代が「岡崎慎司のCF」でした。一番点をとれるポジションを、岡崎から本田に代えました。先に挙げた3つほどセンセーショナルではなかったですが、個人的には「岡崎はショックだろうな…」と思っていました。ストライカーは自己顕示欲の塊でないとできないポジションで、プライドも必要です。岡崎は右サイドのMFに「降格」となり、先発メンバーからは外れます。

しかし、岡崎がすごかったのはここからです。W杯本番は全4試合が途中出場でしたが、右サイドで走りまくり、相手の攻撃をつぶし、前線に駆け上がりと、縦横無尽にプレーしていました。がっくりくるどころか、「ここが私の生きる道」とばかりに誰よりも躍動していました。ピンチをチャンスに変えることは、言葉ほど簡単ではありません。

彼の献身的なプレーもあり、あれだけ不調だったチームがよみがえり、見事にグループステージを突破。決勝トーナメントで惜しくもPK戦で負けてしまいましたが、自国開催以外では初のグループステージ突破という快挙を成し遂げました。岡崎選手も、第3戦のデンマーク戦でゴールも決めるおまけつき。頑張った後のご褒美のようなゴールでした。

現役生活、お疲れさまでした!

 

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