時事マラソン

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日本、イランに屈し4強ならず 細部にもろさ、熱量も足りず

しかしそれにしても残念な敗戦でした。サッカーのアジアカップの準々決勝。3大会ぶり5度目の優勝を目指した日本はイランに1-2で逆転負けを喫して敗退しました。

この大会で自分なりに分かったことが3つあります。

①親善試合の内容と結果はアテにならない
今大会前に国際Aマッチ9連勝と結果が出ていました。その中にはドイツやトルコ、チュニジアなど強い国も含まれており、内容も結果も伴っていたので、それをもって「日本史上最高」「アジア最高」と言われ、次のW杯は優勝を目指すとチームも応援する我々も思っていましたが、この結果。いくつもの看板を一旦降ろして、押し入れにしまっておく羽目になりました。セルジオ越後さんが「過剰なプラス思考、ポジティブ思考」と書いていましたが、その通りだと思います。親善試合の評価はいくら強国相手でアウェーだったとしても半値8掛け。これは大きな教訓です。

②長身FWへのロングボールに弱い
第2戦ではイラクのアイメン・フセインを抑えきれず失点し敗戦。さらには、イランのアズムンにもいいようにやられてしまいました。これで出場停止だったタレミがいたらどうなっていたか、想像したくありません…。CBには日本の誇る冨安と板倉がいますが、彼らが跳ね返してもこぼれ球を拾われてしまう。チーム全体の問題です。特に、球際でイランに負けている場面が多く見られました。日本の選手はみんなうまいけど、サイズも大きくないし、そこで踏ん張れない。ボールを収めて、前へ推進できる、中田英寿本田圭佑のような選手が欲しいです。

③絶対的なリーダーがいない
イランのアズムン、そして韓国のソン・フンミン。アジアにも、困ったら何とかしてくれそうな選手がいます。韓国は、サウジアラビア、オーストラリアとの死闘を勝ち抜けベスト4進出。オーストラリア戦の延長に決めた、ソンのFKは見事でした。守勢にまわった時に、その人を見たら「まだまだやれるぞ」と元気をもらえるような選手。男子でいうと本田圭佑選手、女子だと澤穂希選手。こういう選手が今の日本代表にはいません。なかなか育てれるものでもないし、「明日から絶対的なリーダーになってくれ」「分かりました!」というものでもない。選手の「格」でいうと、冨安や三笘になるのですが、ちょっとタイプが違う。堂安といいたいところだけど、まだちょっと違う。個人的には、今のチームの中では久保建英が一番近いと思います。

優勝を逃したことは残念ですが、W杯本番前にこういう目に遭ったことは不幸中の幸い。今後に生かしてほしいです。

 

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