なかなか衝撃的な内容で、いくつもの「気づき」がありました。
まずは、「アメリカへの不法移民はメキシコ人だけではない」ということです。もちろん、100%メキシコ人ではなく、中南米の人も多いだろうなと思っていましたが、まさか中国人がいる、しかも急増しているとは知りませんでした。
ある中国人一家の40日余りのルートも紹介されています。まずは査証なしで入国できるタイからスタート。タイ→トルコ経由エクアドル(ここも査証不要)→コロンビア→パナマ→メキシコで、パナマへは熱帯雨林を2日半歩いて到達したと10歳の少年が得意げに語っています。
不法難民の多くが語ったのは、経済的に行き詰まり、母国に見切りをつけた現実です。強権体制による抑圧や迫害を逃れ、言論や信教の自由を求めて新天地を目指す中国人もいます。富裕層は困難な道を選ばず、貧困層は少なくない費用を負担できない。結局、普通の人々が危険に挑んでいると、記事にはあります。
「中国経済の低調はここにも表れている」というのがもうひとつの気づきです。経済だけでなく、様々な「無理」がひずみを起こしています。「中国指導部は中国経済は明るいと唱えている」と水を向けると、福建出身の男性は「それは外向けの宣伝。これが現実だ」と笑って答えた、ともあります。
国境警備隊に拘束されたこの人たちは最終的にはどうなるのでしょうか。その答えまでは書かれていません。