時事マラソン

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ケニア、全方位外交で債務不履行回避 経済・安保の要衝

ケニアのルト大統領が今月6日から9日まで日本に滞在、岸田首相と会談し、円建て債券「サムライ債」に関する覚書を交わし、防衛協力にも合意するなど、近しい関係になりつつあります。天皇皇后両陛下との昼食会も催され、愛子さまが皇居で催された外国賓客との昼食会に初めて臨まれたとのことで、ちょっとプレミアムな時間を過ごしてもらったようです。

ケニアも多くの新興国と同じく、エネルギー価格や通貨安、対外債務の増加などによりデフォルトリスクが高まっています。特に懸念されるのが中国依存の高さ。統計局によると、ケニアの2国間債務に占める中国の割合は2022年に73%に上ります。1月には中国主導のAIIBの加盟を閣議決定するなど、中国との経済的な結びつきは切っても切れない関係ですが、それにしても依存が過ぎるということで、日本など西側諸国にも秋波を送っています。

現在、新興著しいアフリカの中で、ケニアは最有望国のひとつです。アフリカの中では比較的民主的で、西側とのつながりは深く、ロシアが影響力を行使するアフリカ諸国が多い中、「いかなる国の主権に対する干渉にも反対する」として、ロシアのウクライナ侵攻を批判、ケニアは当初から一貫して侵攻に反対しています。

日本などアジアにとって、ケニアは東アフリカの玄関口で、港湾都市モンバサは東アフリカ最大規模と言われています。日本企業のケニア進出も100社を超え、南アフリカに次ぐ規模になってきています。

「アフリカはケニアに注目」ということで、時事マラソンでも積極的に取り上げていきたいと思っています。

 

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