時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

石川県輪島の中学生258人、集団避難開始

能登半島地震で深刻な被害が出た石川県輪島市内の中学生258人が17日、県南部の施設に集団で非難しました。被災地の校舎は避難所に使われ、学校再開のめどが立たない中、安全な場で学習機会の確保につなげたいとの意向です。

集団避難をするのは3校ある市立中生徒約400人の内、保護者が同意した258人。約100キロ離れた白山市の県立宿泊研修施設2か所に移りました。家族は同行せず、教員が付き添います、市は2か月ほどの避難を見込んでおり、小学生は心理的な負担が大きいとみて見送りました。

このニュースを見て、とてもいいことだなと感心しました。事前に準備していたとしたら「お見事」ですが、地震発生から20日以内に実行に移せたのも、スピード感に欠ける行政の動きとしては異例のように思います。興味深いのは、集団避難を希望せず、地元に残る生徒もいるということ。県や市は「選択制」をよく選んだなと思います。「不公平が出るから…」と絶対二の足を踏みそうですが、子どもたちの勉強の場の確保を優先すると。ひょっとしたら、コロナ時の「贖罪」の意味もあるかもしれません。天災に負けず、大人が知恵を絞って、リスクもとって、子どもたちの貴重な時間を守ってあげる。

親元から離れた集団避難の時間は、子どもたちにとって忘れられない時間になると思います。

私が親なら100%集団避難させたいですが、子どもよりも親の方がとんでもなく寂しいでしょうね。将来が見通せず、ただでさえ不安定な精神状態の時に子どもがいなくなる。その方が子どもにとっていいのは全面的に理解できるけど、寂しい気持ちは隠しようがない。想像しただけで、涙が出てきそうです。

 

www.nikkei.com