時事マラソン

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中国重視か米国シフトか アルゼンチン大統領選、19日決選投票

時事マラソンでも何度か取り上げているアルゼンチンの大統領選。現職のフェルナンデス氏が世論調査で不人気で、与党内でも支持が広がらず再選を断念し、新大統領が誕生することになります。10/22に1回目の投票が行われ、得票率約37%で首位だったマサ氏と、約30%で2位のミレイ氏が来週19日の決選投票に臨みます。

注目は、2位のハビエル・ミレイ氏です。経済学者出身で、自由至上主義リバタリアニズム)を信奉しており、小さな政府の立場に立ちます。大幅な歳出削減、中央銀行の廃止、経済のドル化、親中路線の修正、BRICS参加も反対と極めて右派の主張です。決選投票に向けて、さすがに過激な姿勢をやや緩めており、臓器売買や銃所持に前向きなトーンも弱めているそうです。

対する与党連合反米左派のセルヒオ・マサ氏は、大きな政府所得再分配を重視、自国のペソはもちろん維持、輸入決済に人民元を引き続き活用するなど親中路線継続などを主張しながら、支持基盤の貧困層を中心に支持を固めています。

アルゼンチンは年率100%を超える高インフレや通貨安で経済が苦境にあり、現職の経済相であるマサ氏は責任を問われる立場にあります。決選投票に向けては、10月の1回目投票で約24%の得票率で3位だったブルリッチ氏の支持層がどっちにつくかが大きなポイントです。

中道右派の野党連合から立候補したブルリッチ氏なので政策的にはミレイ氏寄りですが、ミレイ氏の政策がかなり大胆で極端なので、穏健派はマサ氏にも流れそうで、予断を許しません。

次期大統領は12/10に就任します。

 

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