時事マラソン

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中南米の新元首、伝統政党外から続々 SNS駆使し支持拡大

中南米で伝統的な政党以外から国家元首が誕生しています。この時事マラソンでお馴染みのアルゼンチンのミレイ大統領(53歳)やエクアドルのノボア大統領(36歳)が代表格で、彼らは伝統的な政党からではなく、いわばアウトサイダーとしてトップに上り詰めましたが、彼らはSNSを効果的に使ってきました。

アルゼンチンのミレイ氏は、当初3番手と見られていましたが、22歳の大学生グティエレス氏をデジタル責任者に起用し、TikTokを積極的に使い、若者の支持を掘り起こしました。

エクアドルのノボア氏も、8月の大統領選では決選投票に進むとさえ考えられていませんでした。ノボア氏もTikTokを使い、ジムでのトレーニングやギター演奏の様子を公開し、親しみやすさを演出。妻のラビニアさん(25歳)も健康的な食事やフィットネスについてSNSに投稿するインフルエンサーとして知られており、ノボア氏のアシスト役を果たしました。1回目の投票では2007~17年に大統領を務めたコレア氏の後継候補が首位でしたが、決選投票で逆転勝利しました。

「政界アウトサイダー」は、南米の大国、ブラジルのボルソラノ前大統領などの例もありますが、何と言ってもアメリカのトランプ前大統領の存在感が際立ちます。トランプ氏はツイッター(現・X)の使い手です。

こうしたニューリーダーは、議会での基盤が弱いため、改革の実現には軒並み苦戦しています。伝統政党は当然巻き返しを狙っています。今年大統領になったばかりのミレイ氏やノボア氏も厳しい政策運営を強いられています。

 

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