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アルゼンチン、ミレイ新大統領就任 右派に政権交代

アルゼンチンで10日、経済学者出身のハビエル・ミレイ氏が大統領に就任しました。4年ぶりに左派から右派への政権交代となります。

ミレイ氏は宣誓式後に議会前の屋外で「長い衰退の歴史を終わらせる。きょうから国の再建が始まる」と改革への意欲を示す演説を行い、自由至上主義リバタリアニズム)を信奉するミレイ氏のキーワードである「リベルタ(自由)、リベルタ」との掛け声が響きました。

ちょっと目を引いたのが、就任式に各国の要人が駆けつけたということ。ウルグアイのラカジェポー大統領、ハンガリーのオルバン首相、ブラジルのボルソナロ前大統領など、右派の政治家が参加しました。一方で中南米の左派では、ブラジルの現職ルラ大統領、コロンビアのペトロ大統領らは欠席。そして、ウクライナのゼレンスキー大統領もかけつけたとのことで、これも驚きました。ゼレンスキー氏は大統領就任後南米への訪問は初めて。

南米の大国はブラジルですが、ルラ氏とゼレンスキー氏は、今年5月の広島サミットで予定されていた会談がなぜかできずすれ違いになるなど、ちょっとかみ合いづらい両国のようですから(9月の国連総会時には会談をしていました)、中南米首脳ら式典参加者にウクライナの主権や領土への支持を訴える貴重な機会になりました。式典会場ではハンガリーのオルバン首相を中心に、他国の元首に積極的に語りかけていたようです。

ミレイ氏の今後のポイントは、経済のドル化や中央銀行の廃止がインフレ抑制につながるのかと、親中路線から米国重視路線へのシフトの2つです。注意深く見守っていきたいと思っています。

 

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