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モルディブ大統領選、新中国派が勝利 新インド路線に影響か

インド洋にあるモルディブ

インドのほぼ南で、スリランカの西側にある島国です。ここは、中東やアフリカとアジアを結ぶシーレーンのど真ん中に位置するため、中国の一帯一路の海の要衝として、スリランカと共に重要視されています。

もちろん、地域の大国のインドにとっても重要な隣国であります。「中国をとるか、インドをとるか」という事実上の国民投票ともいえる大統領選挙の決選投票が30日に行われ、野党候補と首都マレ市長のムイズ氏が約54%と過半数を獲得し、現職のソーリフ氏を破りました。

前回の大統領選では、過剰な負債を背負わせて重要インフラの使用権を中国が握る「債務のワナ」への警戒感が国民に広がり、ソーリフ氏が勝利すると新インド路線に傾きました。しかし、中国による橋や住宅建設など目に見えるインフラ支援が近年乏しく、中国との蜜月関係への回帰を望む有権者も多かったことから、親中派のムイズ氏が勝利しました。

ムイズ氏は、インドによる干渉からの国家の解放などを公約に掲げます。海岸警備や医療搬送の目的で寄贈された航空機などの運用を理由にインド軍が「駐留」しているといわれており、同氏は同軍の撤退を訴え、当選を果たしました。脱インドとともに新中路線にまた揺り戻していきそうです。今の中国に、モルディブが期待できるほどの支援はできるでしょうか…。

 

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