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大谷翔平「1000億円の男」 高騰の背景に大リーグ収益力

 

米大リーグでFAになっていた大谷翔平選手がドジャースに移籍することが決まりました。その額、10年総額で7億ドル 。北米プロスポーツ史上最高の大型契約。サッカー界のスターのメッシがバルセロナ時代の2017~21年に結んだ5.55億ユーロも凌ぎ、世界のスポーツ界でも最高水準に上り詰めました。

これだけの契約を結べるドジャース、しいては米大リーグ機構(MLB)の収益力がどれだけすごいんだという話になります。MLBの総収益は2017年に初めて100億ドルを突破、22年はコロナ後の反転で108億ドルに達しました。

ユニークなのは、MLBは全国放送の放映権などを一括管理しているところ。そこから生まれた収益は傾斜をつけずに全30球団に均等配分しており、リーグの収入増加が各球団の増収に直結します。その収益の柱は「放映権収入」です。この放映権料が、複数のケーブルテレビ局とネット経由のコンテンツ配信サービスとが競争していることで、放映権料が上がる原動力になっているようです。もちろん、観戦魅力の向上があってこそですが、テレビ放送と動画配信の「二刀流」を手掛けているESPNなどもあり、均等分配と競争がほどよくマッチしている印象です。

日本のネット配信に、MLBベンチマークにしている「パ・リーグTV」がありますが、ネット配信だけでもセ・リーグパ・リーグの両方とも見れるようになればだいぶ変わるのにとは思いますが、たった12球団しかないのにどうも日本のプロ野球は、セ・パに一体感がないなと思います。その結果が、大リーグとの平均年俸の「けた違い」に表れています。