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円相場1ドル150円、ドル独歩高が震源地 粘る米経済にマネー集中

円安が止まりません。対ドルの円相場は昨日3日に、2022年10月以来1年ぶりの円安ドル高水準となる1ドル=150円台に下落しました。

円安というよりも、ユーロなど他の通貨に対しても上昇しているため、「ドル高」、さらには「ドル独歩高」とも言えます。

その後の円相場は、日本時間午後11時過ぎに150円台を付けた後、政府の為替介入への警戒感からか147円台まで円高が進みましたが、その後すぐに149円に戻るなど、やっぱり150円は突破したそうな為替レートです。円は22年10/21に当時としては実に32年ぶりの安値となる1ドル=151円90銭台をつけました。再び33年ぶりの安値更新が迫ります。

ドル高の背景はアメリカ経済の強さがあります。FRB政策金利は5.5%と22年ぶりの高水準。金利差を考えるだけでもそりゃ円安になるわというレベルです。直近の物価上昇率も3.7%で、それを2%近く上回る水準で利上げを進めても、実質GDPは2%を超える伸びを維持しています。日本は金利を上げたら経済が冷え込む恐れがあり、なかなかゼロ金利を脱出できません。アメリカの景気が悪くならなければ、FRBが大きな利下げに踏み切る根拠はなくなります。米ゴールドマンサックスは12か月以内にアメリカが景気後退に陥るリスクを今年3月の35%から15%に引き下げたこともその表れです。

どこまで円安が進むのか、市場の動きに注目が集まります。

 

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