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NATO首脳会議、ウクライナ加盟で温度差 時期明記せず

11~12日に開いたNATO首脳会議で、ウクライナを結束して支援していく姿勢を明確にしました。

ロシアへの抑止力維持へ長期的に武器供与を継続することを担保しました。しかし、ウクライナが求めるNATO加盟は時期を示さず、「加盟国が同意し、条件が整えばウクライナを招待する」との表現にとどめ、双方の温度差も浮き彫りになりました。
ウクライナのゼレンスキー大統領が不満をにじませるのを当然ですが、NATOとしても厳しいところです。NATOメンバーの間ではウクライナの加盟はロシアとの停戦後にすべきだとの意見が支配的です。

背景にあるのがNATOの根幹である集団安全保障を定める北大西洋条約第5条の存在。1つの加盟国への攻撃をNATO全体への攻撃とみなし、加盟国は攻撃された国の防衛義務を負います。紛争中のウクライナ加盟を認めれば「ロシアと戦争状態になる」(バイデン米大統領)との懸念があるのもまた当然です。

ここにきて各国はこれまでより一歩踏み込んだ武器供与を始めました。クラスター弾もそうですが、ウクライナが制空権確保のために強く求め続けてきた長距離ミサイルの供与も始めます。フランスは射程250キロメートルの空中発射巡航ミサイル「スキャルプ」を新たに供与すると発表。ドイツは地対空ミサイル「パトリオット」の追加供給も決定しました。

終わりの見えないロシアのウクライナ侵攻です。

 

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