時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

ウクライナ侵攻、今日で1年 小泉悠さんから学ぶ

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて今日で1年になります。いろんな考察が出ていますが、小泉悠さんの分析がとても分かりやすくて、かつ独自目線もあって勉強になります。同じ日経で小泉悠さんの解説動画(約23分)もあり、こちらの方がこの新聞記事より詳細でおすすめです。

2年目の焦点として3つ挙げておられます。①春のロシア軍の攻勢がどこまでのレベルか、②反攻に十分な軍事支援をウクライナは西側から得られるか、③仮にウクライナが勝ち始めた場合、どこまでやるか、が焦点になると。西側からの戦車の供与が進んで反攻できるようになるまでに、ロシア軍の攻勢に耐えれるかどうか。そして、ウクライナが押し返してロシアが劣勢になった時に、プーチンが戦争を終わらせるか、あるいは完全に面目を失い余計に戦争が止められなくなるのか、いろんなパターンが想定されます。

今回、英米独が戦車の供与を決めましたが、動画で言われていましたが、これはウクライナにすればかなりの戦力になるようです。戦車供与のタブーが破れられた次は、戦闘機までいくのか。さらには、敵の後方をたたく長距離ミサイルまで揃えば、ウクライナが反攻を進める大きな力になると小泉さんは言います。

最後に、日本にとっての教訓に触れていますが、軍事力を持った抑止だけではなく、それと並行して戦争を起こさない方法、外交で止められるものは徹底して止めようとする姿勢が求められるということ。もうひとつは、ウクライナのような国民の覚悟がロシアにはなかった。何のために巨額を投じて軍事力を持つのかといったビジョンが政府と国民の間で共有されていなかった結果であり、それは日本でも同じことが起こりうる。国家安全保障戦略の改定までにもっと国民を巻き込んだ議論をすべきだったと言います。今からでも遅くないと思います。

 

www.nikkei.com