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米、弾薬不足で「禁じ手」ウクライナにクラスター弾供与

記事自体はそれほど大きなものではないですが、今後を占うニュースではありました。アメリカのバイデン政権が殺傷性の高いクラスター弾ウクライナに供与する立場に転じました。

クラスター弾は、1つの「親爆弾」の中に数十から数百の「子爆弾」を内蔵する構造で、空中で親爆弾から子爆弾を広範囲に放出します。一部が不発弾として残り、市民に被害を与える恐れがあります。このような性質の兵器なため、クラスター弾の使用や製造を禁じるオスロ条約には日本やフランス、ドイツ、イタリアなど100カ国以上が参加していますが、ロシア、ウクライナは加盟していません。

アメリカも非加盟国ですが、非人道的な兵器との批判にこれまでは配慮してきました。しかし、6月中旬ごろから始まったウクライナの反攻が思ったほど進んでいないこと、アメリカの弾薬供給が追い付かないことから「在庫処分」的にクラスター弾に手を付けるようです。

危険な兵器を供給するアメリカを批判することは簡単です。ツイッターにこんなたとえを書いている人がいました。「空腹で倒れそうになっている人に、とりあえず手持ちのバーガーとコーラをあげようという話をしているときに、それは『オーガニックでないから体に悪い』と言ってきた」と。うまいこというなと思いました。

今週、リトアニアNATO首脳会議が開かれ、バイデン大統領も出席します。スウェーデンウクライナNATO加盟など議題は盛りだくさんですが、クラスター弾供与も議論になるとみられます。

 

www.nikkei.com