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上海機構拡大、イラン加盟・ベラルーシも覚書

中国とロシアが主導する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」は4日、首脳会議をオンライン形式で開催しました。SCOは中露と中央アジア4か国、インド、パキスタンに加え、今回の会議で、米欧の経済制裁下にあるイランの正式加盟を承認し9か国体制に。ロシアに近いベラルーシも正式加盟に向けた覚書に署名することも明らかになりました。

最近ますます注目度が高くなっているインドですが、ここでも存在感を発揮しました。今回の議長国はそのインドだったんですが、首脳会議はオンライン形式でした。昨年はウズベキスタンで対面開催し、ロシアがウクライナに侵攻して初めて中露の首脳会談が実現しました。モディ氏がプーチン大統領に「今は戦争の時ではない」と直接苦言を呈したことでも注目を集めました。今回のオンライン開催については、6月に自身を国賓待遇で招待したアメリカへの配慮から、権威主義陣営の首脳を自国に招くことを見送ったと言われています。中国とパキスタンとはそれぞれ国境紛争を抱え、国内世論的にも友好ムードを打ち出しにくいという事情もあります。

インドがどこの国とお付き合いしようと自由ですし、別にアメリカと仲良くしたからといって中露と仲良くしてはいけないという道理はありません。どことも仲良くする、できるということは基本的にいいことだと思います。しかし、今の複雑な国際情勢の中で、あっちともこっちとも仲良くする、いい顔をするというのはなかなか難しいことだと思います。できる限り、「どっちかを選ぶ」というシチュエーションから自国を遠ざけるというのは容易ではありません。どちらかに偏ってしまうと、もう片方からの信頼を失ってしまう。だからといって、両方ともにいい顔をすると真の信頼関係を結ぶのが難しくなる。小国ならあんまりそんな心配をしなくてもいいですが、インドくらいの大国になると「お付き合い」が大変です。

 

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