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影響力強める「非同盟中立国」

エコノミスト誌の骨太記事を久々に取り上げます。個人的にとても関心のある「非同盟中立国」。

世界は今、欧米を中心にした民主主義陣営と、中露連合とに二分されているという見方が一般的ですが、この発想は現実を十分にとらえていない。世界の人口の半数を上回る40億人が住む100以上の国が、どちらのグループにもつきたくないと考えている。これら「非同盟中立国」の国々は、世界の分断が進むなかで、集団としての重要性を増している。インドやサウジアラビアなどは欧米、中ロの両方のブロックと取引を続けながら、世界における発言力を強めようとしている、とこの記事は語ります。

しかし、誤解してはいけないと。世界人口の半分を擁する非同盟中立の国々は散り散りでまとまりがなく、一枚岩になることはまずないと。各国の共通点が乏しく、欧米とも中露とも結束力が弱い。ブラジルとインドは同じ民主主義の大国ですが、利害が一致する部分がほとんどなく、両国ともカタールなどの富裕な国とは共通の課題を持ちません。テクノロジーに関しては、今も欧米と中露の両方に依存していて、貿易の決済はドル建てで行っている。「第3グループ」として独立するほどの力も戦略もないように感じます。

この第3グループになるかもしれない「非同盟中立国」が今後どうなっていくか、世界秩序を考えていくうえでとても重要です。

来月、インドネシアのバンドンに行く計画をしています。バンドンと言えば、教科書にも載っている、「アジア・アフリカ会議」が開催されたあのバンドンです。米ソ冷戦のさなか、第3世界の結束を目指し、インドのネルー、中国の周恩来が中心になり、1955年にスカルノ率いるインドネシアがホスト国になり開かれた国際会議です。国際会議が開かれた場所が、博物館として残っているので、この機会に見て、いろんなことを感じて帰ってきたいと思っています。

 

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