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米国で「リアル書店」人気復活、コロナ契機で開店相次ぐ

休み明けの月曜日は取り上げる記事を見つけるのに少々苦労しますが、今日はおもしろい記事を見つけました。

アメリカで「リアル書店」の人気が復活しています。ニューヨーク市では独立系書店の開店が相次ぎ、全米で約600店舗を経営する米最大チェーンのバーンズ・アンド・ノーブル(B&N)も全米で店舗拡大に動いており、今年は30店増の予定だと。2年連続で店舗数が純増になる予定で、約10年続いた店舗数の縮小傾向に歯止めがかかってきました。

独立系書店の開店ラッシュも相次ぎます。ニューヨーク市に本拠を置く「マクナリー・ジャクソン」は1月、市内随一の観光地ロックフェラーセンターに5店舗目を開くなど、独立系書店は品ぞろえや内装に個性があり、週末には書店巡りを楽しむ若者の姿が目立つようです。

アマゾンが台頭したあおりを受け、11年に当時書店チェーン2位だったボーダーズ・グループが経営破綻、B&Nも経営難が続き、19年に米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントに6億8300万ドルで身売りしました。街から本屋が消える「書店砂漠」の拡大は、社会問題として取り上げられることもありましたが、ここにきての反転のきっかけは「コロナ」。

巣ごもり需要で読書ブームが再燃し、コロナ禍で楽しめる数少ない娯楽の一つとして書店を訪れる人が増えました。米NPDグループによると、21年に米国市場での紙の書籍販売は8億2800万冊と、04年の調査開始以来で過去最高を記録。読書の中心が紙の本であることも、リアル書店の人気を支えます。書籍販売全体に占める電子書籍のシェアは13年(28%)をピークに下落傾向が続くとは知りませんでした。

さらに興味深いのが、NPDグループの書籍業界アナリスト、クリスティン・マクリーン氏によると、「デジタル世代」と呼ばれる若年層ほど紙を好む傾向があるということ。パソコンやスマホと常にデジタルデバイス漬けの生活を送っており、本は紙で読むことがいい息抜きになると感じており、デジタル世代は「何でもかんでもデジタルで」ではないようです。

紙の書籍好き、書店好きとしてはいいニュースです。

 

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