時事マラソン

世の中の動きに対するアンテナを高く保つ

ファーストリテイリング、国内人件費15%増、年収最大4割上げ

ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが3月から国内従業員の年収を最大4割引き上げ、国内の人件費は約15%増える見込みると発表しました。

 

同社は2022年9月に国内でパートやアルバイトの時給をすでに平均2割引き上げていますが、今回の発表では新入社員の初任給が月25万5千円から30万円に、入社1~2年目で就任することが多い新人店長は29万円から39万円になるとのことで、「最大」なので国内従業員全員の年収が4割上がるわけではないですが、人件費が約15%増えるとは業績に与える影響も相当です。


ただ、ちょっとひっかかるのが、ファストリは現在、欧米を中心に海外従業員のほうが年収が高く、それに合わせる意味合いもあるということ。国内で大幅に賃金を見直すことで、グローバルな水準に近づける狙いがあるということなので、「遅まきながら日本も上げます。賃上げムードに合わせて…」みたいな感じもしてしまいます。


世界的なインフレ傾向も受けて、日本企業にも賃上げの波が襲ってきています。ファストリ以外にも、大企業を中心に賃上げの動きは確実です。そうなってくると、日本の従業者数の7割が勤める中小企業との賃金格差がさらに広がっていきます。世の中の流れに合った給料を払えない企業や、払えないことで人材不足に陥る企業は、いよいよ淘汰されていきます。社会にとって劇薬にはなりますが、競争力を失った企業が淘汰されるのはある程度仕方のないことだと思います。

 

www.nikkei.com