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中国ゼロコロナ、緩和策が市民に届かず主要都市で抗議

国際政治学者のイアン・ブレマー氏が2022年の10大リスクとして「中国のゼロコロナ失敗」を挙げていましたが、年末に近づいてきてかなり表面化してきたようです。

 

ゼロコロナ政策への抗議活動、具体的には政府の打ち出した緩和策を地方レベルで実現できず、それが市民の強い不満となって表れているようです。コロナ対策をかじ取りする国家衛生健康委員会は11日、「長期封鎖の乱用禁止」など20項目の緩和策を発表したが、緩和策を実行して感染を拡大させてしまったらそれこそ中央から低評価をうけるので、それを懸念する地方当局は感染拡大の抑制を優先し、十分に実行できていないようです。


中央と地方の思惑はいいとして、日常生活に大きな影響を被っているのは市民です。今回の抗議活動の広がりの直接のきっかけは、24日に発生した10人が死亡したとされる新疆ウイグル自治区ウルムチ市の火災です。SNS上ではロックダウン影響で「消火活動が遅れた」との情報が出回り、犠牲者の追悼が抗議活動に発展、首都北京市四川省成都市、湖北省武漢市、広東省広州市などに広がっています。


抗議活動の中には中国の体制批判も含まれているようですが、個人的には暴力的に弾圧をしたりせず、余裕を持って見守っているように思います。国民の不満はある程度理解はできる、ガス抜きも必要だと思っているかもしれませんし、いざ鎮圧しようと思ったら香港の時のようにやればいいとタカをくくっているのかもしれません。


そもそものゼロコロナ政策を続ける理由は、中国産のワクチンの有効性が低いことが挙げられます。たいして効かないワクチンを接種しているので、感染が急拡大すると脆弱な医療体制が持ちません。だったら、欧米のmRNA型ワクチンを分けてもらったらいいんですが、供給してもらえないのか、中国側の意地なのかはわかりませんが、それはしないようであくまで自国開発にこだわっています。


抗議活動が今後どう広がっていくか、当局がどう静めていくか、大変気になります。

 

www.nikkei.com